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柴又の料亭「川甚」231年の歴史に幕 映画「男はつらいよ」第1作でさくら結婚披露宴の舞台

柴又の料亭「川甚」231年の歴史に幕 映画「男はつらいよ」第1作でさくら結婚披露宴の舞台

閉店を決断した8代目店主、天宮さんは「長年頑張ってくれた従業員には、申し訳なさでいっぱい」と声を落とした

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 店内には山田洋次監督直筆の色紙も。天宮さんは「倍賞さんも(閉店を)『残念で寂しい』と言ってくださっているようで」と頭を下げる。

 8代目として店を受け継いだのは、先代だった父がくも膜下出血で69歳で急逝した1988年9月。「両親の口癖は『周囲に感謝しろ』。閉店は自分の力不足。コロナのせいなんかにしたら、怒鳴られます」。父や先祖には、墓前で店を守れなかったことをわびた。

 昨年末に閉店を発表して以来、問い合わせが殺到、月末まで昼も夜も予約で埋まったが、「地元の方々や古いおなじみさんにも不義理をしてしまい、複雑な気持ちです」とポツリ。2度目の緊急事態宣言下で、多くの飲食店が苦しい戦いを続けている。(丸山汎)

★地元「シンボルだった…」

 寅さんの地元、柴又も苦しんでいる。23日は週末ながら閑散。帝釈天参道では多くの店が早々とシャッターを下ろした。ある土産物店は「コロナで人出は持ち直したり、減ったり。苦しいです」と説明。参道の老舗団子店で、寅さんの実家「とらや」(後に「くるまや」)のモデルとなった「高木屋老舗」の石川宏太さん(68)は「川甚さんは柴又でも1、2を争う歴史を持つ店で、地元のシンボルだった。寂しいというほかはありませんが、私たちは力を合わせてこの町を守っていかなければ」と厳しい表情で語った。