【朝ドラのころ】
再会にリアリティーを出すため、リハーサル、化粧前でも2人を絶対に会わせないように時間をずらすなど配慮されていました。私の時代だったら「芝居なんだから、そんなの『パッ』とその場でその気持ちになれるのが当たり前だ」と怒鳴られていましたね。ヒロインたちの扱われ方の違いにはびっくりです。
もう一つ驚いたことがあります。「本日も-」が終わったときに、プロデューサーから「よく頑張った。でも、これをお土産に女優を辞めていいんだよ。無理に女優をやらなくてもいいから」と言われて…。「えっ!?」となりますよね。その意味は後で分かりました。
私は、NHKという庇護がなくなり、芸能界の大海原に放り出された一人の女の子。記者の方々の対応も変わり、自分のために作った事務所を背負うプレッシャーも感じるようになりました。それで一度は逃げるように休業したのですが、朝ドラでいろいろ学ばせていただけたから、この業界に戻って女優業を続けられているのでしょう。
アナウンサーのいろはを学び、ナレーションのお仕事もやらせていただいていますし、現場で怒鳴られたからこそ、ちょっとやそっとじゃ動じなくなりました。若いときに心身ともに鍛えられ、いまの自分があるのだと思います。(おわり)
夫婦円満の秘けつは「違う」ことを尊重すること
1994年に俳優、渡辺裕之(64)と再婚した原は、2001年に「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。夫婦円満の秘けつについて「『違う』ことを尊重すること。よく価値観の違いで別れるけど、最初から全て一緒なわけではない。違った形の2人が人生をともに転がり歩んで、同じように丸くなる」とさすがの名言。私生活ではよき母、よき妻だが、「今後演じたい役? そのうちおばあちゃん役が多くなるだろうから、その前に悪い母、強い母などいろいろな母親を演じたい」と貪欲だった。