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藤井二冠、羽生九段に初黒星 3冠へ王将リーグ試練のスタート/将棋

藤井二冠、羽生九段に初黒星 3冠へ王将リーグ試練のスタート/将棋

特集:
藤井聡太二冠
感想戦で敗戦を振り返る藤井聡太二冠(左)。羽生善治九段(右)を前に、初めて上座で対局に臨んだ=東京・千駄ケ谷(代表撮影)

感想戦で敗戦を振り返る藤井聡太二冠(左)。羽生善治九段(右)を前に、初めて上座で対局に臨んだ=東京・千駄ケ谷(代表撮影)【拡大】

 将棋の第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦が22日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で開幕した。開幕局に登場した先手の高校生タイトルホルダー、藤井聡太二冠(18)=棋聖・王位=が、国民栄誉賞のレジェンド、羽生善治九段(49)に80手で敗れ、これまで4戦4勝だった羽生九段に初黒星。渡辺明王将(36)=名人・棋王=への挑戦権獲得へ、苦しいスタートとなった。藤井二冠は23日、第91期ヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催)の就位式に臨む。

 破竹の勢いが止まった。新たなタイトル挑戦を目指す藤井二冠が乗り込んだ王将リーグ。史上最強の羽生と、次代の最強を目指す藤井。将棋界で「ゴールデンカード」と呼ばれる激突で、高校生タイトルホルダーはまさかの完敗を喫した。

 「組み立てがよくなかった。角2枚が盤上にあったんですが、それが働かなくて苦しい展開になった」

 18歳は、敗因を絞り出した。作戦負けだった。先手の藤井二冠は、互いに角を交換して持ち駒とする得意の「角換わり」の展開に持ち込もうとしたが、羽生九段が誘導したのは「横歩取り」の戦型。藤井二冠は12日のJTプロ公式戦でも横歩取りで豊島将之竜王(30)=叡王=に敗れていた。

 レジェンドの巧みな誘導に、自身の飛車と相手の角を交換する積極策で応じた。35手目、67分の長考後に▲5六角と打ち、隣の角と2枚並べる“奇襲”もかなわず。終盤は羽生九段にじっくり詰め筋を読まれ、1分将棋に追い込まれた。

 2018年2月17日。朝日杯オープン戦準決勝で、15歳の藤井五段は、羽生二冠(竜王・棋聖)と初対戦し、初勝利。以来4戦4勝(未放映のテレビ対局を含む)で「羽生キラー」と呼ばれた。現在は藤井が二冠(棋聖・王位)で、羽生九段は18年12月に竜王を失冠して27年ぶりに無冠となりタイトルから遠ざかった。平成から令和へ。時代とともに将棋界の主役が交代したかにみえたが…。将棋界最難関とよばれる挑戦者決定リーグ戦でレジェンドのすごみを思い知らされた。

 黒星発進となったリーグ戦。藤井二冠は次局、10月5日に、5戦5敗と苦手の豊島二冠と対戦する。3個目のタイトルへ向け、一転、いばらの道になった。さらに練習対局相手の盟友、永瀬拓矢王座(28)、元名人の佐藤天彦九段(32)、前竜王の広瀬章人八段(33)、前王位の木村一基九段(47)と、タイトル経験者の“オールスター戦”を勝ち抜かなければならない。

 「厳しいスタートになりましたけど、またいい状態で次の対局に臨みたい」

 6月からの2カ月で、棋聖と王位を連続で奪取。実力と勢いで、コロナ禍の日本にフレッシュなニュースを届けた18歳。23日には東京都内で棋聖の就位式が開かれる。気分一新を図り、次の戦いに挑む。

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  • 羽生九段に完敗し、がっくりとうなだれる終局後の藤井二冠=東京・千駄ケ谷(代表撮影)
  • 藤井二冠と羽生九段の対戦成績
  • 羽生九段と藤井二冠の比較表
  • 第70期王将戦挑戦者決定リーグ