2020.8.21 05:05(1/2ページ)

藤井棋聖、2冠&八段昇段最年少ダブル快挙 “歴史的”封じ手で4連勝「王位」奪取/将棋

藤井棋聖、2冠&八段昇段最年少ダブル快挙 “歴史的”封じ手で4連勝「王位」奪取/将棋

特集:
藤井聡太棋聖
王位を獲得した藤井二冠。会見では「二冠」を揮毫(きごう)した色紙を披露した(撮影・村本聡)

王位を獲得した藤井二冠。会見では「二冠」を揮毫(きごう)した色紙を披露した(撮影・村本聡)【拡大】

 将棋 第61期王位戦第4局第2日(20日、福岡市・大濠公園能楽堂)藤井時代の幕開けだ! 高校生プロで後手の藤井聡太棋聖(18)が、先手の木村一基王位(47)を80手で破り、4連勝でタイトルを奪取した。タイトル2期獲得の規定により、最高の九段に次ぐ八段に昇段した。藤井二冠は18歳1カ月で、1992年に羽生善治九段(49)が作った21歳11カ月の年少2冠保持、58年に加藤一二三・九段(80)が作った18歳3カ月の年少八段昇段を、それぞれ更新した。

 能舞台で、淡い緑の着物に身を包んだ高校生棋士が最上の舞いを演じた。午後4時59分。持ち時間を34分も残して、木村王位が投了を告げる。棋聖獲得から35日。藤井聡太の肩書は、「二冠」になった。

 「4連勝という結果は望外というか、実力以上の結果だった」

 藤井二冠の実力そのものが、神がかっていた。前日19日の封じ手。36分間の長考で決断した42手目の△8七同飛成は、常識外の奇襲。銀を奪った結果、飛車を取られても、攻めに徹する。覚悟の手だ。自分の飛車を奪った木村王位の金を陣地の外へ誘い出し、守りが薄くなった玉に迫る。逆襲の機会をほとんど与えず、2日目はわずか38手、計80手で決着した。

 「(封じ手は)少し苦しいのかなと思って、勝負に出ようとした。積極的にいったのが結果的によかった」

 弱い手より、強い手を指そう-。5歳から学んだ愛知・瀬戸市のふみもと将棋教室に貼られたスローガンだ。変わらぬ思いで、羽生九段が1992年に棋王、王座を獲得した21歳11カ月の2冠獲得記録を28年ぶりに、加藤九段が58年に記録した18歳3カ月の八段昇段記録はなんと62年ぶりに、それぞれ更新した。

 「それについてはまだ実感がない。全く意識していなかった」と淡々とした藤井二冠。段位で並んだ師匠、杉本昌隆八段(51)には「順位戦、竜王戦で同じリーグにいる。高めあっていきたい」と頬を緩めた。

 その師匠が唯一不安だったのは、「将棋の世界から離れてしまうこと」だったという。かつてこんな経験があった。

 「1人の少年が二段になる前に高校生で辞めましてね。IPS細胞の山中伸弥教授に感銘を受けて『将来、人を助ける道に進みたくなりました』と。続けていたら間違いなくプロになっていたし、藤井のライバルになっていたかも」

【続きを読む】

  • 2日目の対局に臨む藤井棋聖(左)と木村王位。厳かな雰囲気の能楽堂に緊張感が漂った(日本将棋連盟提供)