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【ヒューマン】成海璃子、女優が「一番」 大林宣彦監督と出会い感謝、遺作『海辺の映画館』で1人5役

【ヒューマン】

成海璃子、女優が「一番」 大林宣彦監督と出会い感謝、遺作『海辺の映画館』で1人5役

  • 大林監督の遺作で輝いた成海。「監督と出会えたことに感謝したい」としみじみ語った=東京・新宿区
  • 成海璃子=東京・新宿区
  • 成海璃子=東京・新宿区
  • 成海璃子=東京・新宿区
  • 成海璃子=東京・新宿区
  • 成海璃子=東京・新宿区
  • 「海辺の映画館」の1シーン。江戸時代の町娘を演じる左から成海、山崎、常盤
  • 「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の1シーン
  • 「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の1シーン
  • 「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の1シーン
  • 「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の1シーン
  • 「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の1シーン

 4月に82歳で死去した映像の魔術師、大林宣彦監督の遺作映画「海辺の映画館-キネマの玉手箱」が7月31日、公開初日を迎えた。ヒロインを演じた女優、成海璃子(27)のエロチシズムあふれる場面は鮮烈だ。大林組に初参加し、新たな魅力を引き出された成海は「監督と出会えて良かった」と感謝。戸惑うばかりだった撮影を振り返る一方、結婚願望ゼロの意外な素顔も明かした。(ペン・森岡真一郎、カメラ・塩浦孝明)

 抜けるように白い肌と富士額(びたい)に力強い瞳…。公開直前、記者が初めて会った成海は、りんとした美しさに輝いていた。

 「大林監督と出会えたことに感謝しています。監督とは最初で最後の作品になりましたが、本当にうれしかった」

 おっとりした口調で、4月10日に肺がんで死去した監督をしのんだ。4年ほど前に監督のホラーコメディー映画「HOUSE ハウス」などを見て以来、斬新で唯一無二の作品世界に魅了されたという。

 「周囲にも、ぜひ監督と一緒に仕事がしたいと言い続けて、その念願がかなったんです」

 「海辺の映画館-」は若い男性3人が映画館で過去にタイムスリップし、数々の戦争を追体験するファンタジー。監督が平和への思いを込めた集大成だ。成海は2年前の夏に2カ月間、監督の故郷でもある広島・尾道市で撮影に参加。第二次大戦中の貧しい女郎や広島の原爆で死去した移動劇団の女優など1人5役を演じた。

 「役柄は全て楽しみましたが、大変だったのは殺人的な暑さ。でも、監督が(氷菓子の)ガリガリ君を毎日のように差し入れてくれて…。人気茶房『こもん』に、名物のワッフルを食べにも連れていってもらいました」

 息抜きがあったおかげで乗り切れたが、撮影は想像以上に戸惑うことばかりだった。

 「大林組は現場でせりふや演出がしょっちゅう変わる。監督の指示についていくのが精いっぱいでした。初めての体験でしたね。その分、何にでも即座に対応できる柔軟性が、身についたと思います」

 また一つ成長できたことを実感しているよう。特に、女郎屋のおかみに虐待されながらも、主人公の若い男性(細川善彦、32)と恋に落ちる女郎を演じた場面は喜びと悲しみが交錯し、鮮烈な印象だ。ふくよかな胸元が強調され、大林作品ならではのエロチシズムがあふれる。

 「完成作は自分のイメージをはるかに超えて、驚きと感動ばかり。若い世代にもぜひ見ていただきたいと思います」

 タップダンスを踊り、なぎなたを振り回し、ハーモニカを吹く場面も。楽器はもともと好きで、5歳の頃から5年間ほど習ったピアノは、コロナ禍のステイホーム期間中から再び続けている。

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