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【コロナに負けない がんばろうニッポン!】松本零士氏「志を見つけよう、新しい明日は必ずある」 コロナ禍の子供、若者へ

【コロナに負けない がんばろうニッポン!】

松本零士氏「志を見つけよう、新しい明日は必ずある」 コロナ禍の子供、若者へ

特集:
コロナに負けない がんばろうニッポン!
松本ワールドでおなじみの愛猫「ミーくん(4代目)」を抱く松本零士さん。「他人を笑わず、助け合おう」と呼びかけた(零時社提供)

松本ワールドでおなじみの愛猫「ミーくん(4代目)」を抱く松本零士さん。「他人を笑わず、助け合おう」と呼びかけた(零時社提供)【拡大】

 テレビで涙を浮かべる高校球児の姿も見ました。甲子園への道を断たれ、本当に気の毒だと思います。私も高校時代に野球に打ち込んでいました。ポジションはレフトでした。野球は大好きだったのです。

 夢を断たれたと感じている若者たちへ伝えたい。「新しい明日は必ずある」と-。

 『銀河鉄道999』の主人公、星野鉄郎は不屈の闘志で旅を続けます。私は高校卒業後、質屋で換金した700円と片道切符を握りしめ、小倉から24時間かけて夜汽車で上京しました。あの列車に乗っていなければ私の運命は変わっていた。鉄郎の志は、漫画家を目指して旅立ったあの日の私の志そのものです。

 「きょうの涙は恥ではない。明日の自分はきょうよりも強い」。私は自分にこう言い聞かせてきました。若さは無限の可能性を持つ宝物なのです。「時間は夢を裏切らない」-。あきらめず励む日々が、より大きな夢につながります。

 昭和、平成、令和と時代は変わりましたが、それぞれに志を見つけた、鉄郎のような少年少女はいまもたくさんいるはずです。志とは、自分の胸のうちに生まれてくるもの。未来は必ず自分で決めるのです。

 私の夢も、まだ途中です。999もハーロックもエメラルダスも、物語は全て未完成です。だから描き続けています。3次元映像や、心で意識するだけで絵が動かせるかもしれない夢の世界が、いまや現実になってきています。漫画や絵は、心で描くもの。もっと自由に描けるならどんなに楽しいか。

 夢として終わるかもしれないけど、まだ、自分の志は途中なんですよ。令和の鉄郎やメーテル、子供や若者を励ます物語を描きたい。互いの志のため、一緒に頑張っていきましょう。(漫画家)

 ◆イタリアに感謝

 松本零士さんは昨年11月、代表作「宇宙海賊キャプテンハーロック」のイベントでイタリア・トリノ市を訪問中、体調不良を訴えて20日間の入院生活を送った。「凍った路面で転倒し、もともと風邪っぽかったところに極寒で体調を崩してしまった」といい、「お世話になった病院とイタリアの皆さま、最後まで付き添ってくださった東映アニメーションの方々、そしてご支援くださったすべての方々に、心から御礼申し上げます」と話した。

 今春、イタリアは新型コロナウイルスの感染拡大で医療崩壊に見舞われた。松本さんは入院先のモリネッテ病院を支援するため、直筆イラストをチャリティーオークションに出品し、7000ユーロ(約80万円)で落札された。「1日も早く今までの日常を取り戻せることを心から祈っています」と思いを寄せた。

松本 零士(まつもと・れいじ)

本名・松本晟(あきら)。1938(昭和13)年1月25日生まれ、82歳。福岡県久留米市出身。9歳で漫画を描き始める。54年、小倉南高1年時に15歳でデビュー。卒業後に上京し、71年の「男おいどん」が出世作に。77年に公開された劇場版アニメ「宇宙戦艦ヤマト」が大ブームを巻き起こした。「銀河鉄道999」「宇宙海賊キャプテンハーロック」などは世界的にヒット。紫綬褒章、旭日小綬章、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。ペンネームの由来は「午前零時まで働く士(さむらい)」。妻は漫画家、牧美也子さん。

  • おなじみ、赤いドクロ入りのキャップ姿の松本零士さん。82歳にしてなお、創作意欲は衰えない(零時社提供)
  • 松本零士さんの主な作品