2020.5.24 11:00

【朝ドラのころ】2004年「わかば」原田夏希(4)撮影中に迎えた20歳…涙とともに分かってきた演技

【朝ドラのころ】

2004年「わかば」原田夏希(4)撮影中に迎えた20歳…涙とともに分かってきた演技

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原田夏希

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 「わかば」では、大学時代から結婚して出産するまでの5年間を1人で演じました。当時は19~20歳で、経験していなかった結婚や出産のシーンは難しかったですね。

 保育器にいる未熟児で生まれた子供を私が外側から見守るシーンは、放送後に母親から「私だったらあんな状態じゃいられない」と駄目出しされました。結婚して子供を産んだ今は理解できるのですが、わが子に対する母親の愛情とか想像しきれていなかった部分があったと思います。

 一番印象に残っているのは、20歳の誕生日を迎える前後に撮影した泣くシーンですね。誕生日前、弟役の崎本大海君と初めて泣くシーンを撮影したときは最後まで泣けなかった。でも、誕生日後に撮った別のシーンでは、母親役の田中裕子さんに頬をたたかれ、伯父役の西郷輝彦さんに「若葉…」と声をかけられた瞬間にバーっと涙が出たんです。

 そのときに初めて若葉になりきることができた気がしました。それまでは、役を演じるときに自分で感情を持っていかないといけないという変なプレッシャーがあったのですが、裕子さんや西郷さんが投げてくれるお芝居や言葉に反応すれば、自然と感情がついてくると実感できました。まさに演じることへの意識が変わった瞬間でした。

 7月7日の誕生日も撮影をしていました。普段、メールのやり取りをしていなかった父親から「周りの人の言うことをよく聞いて素直にお仕事頑張ってください」とメールが送られてきて号泣しました。20歳になるときに撮影したという意味でも、朝ドラは私にとって人生の節目だったなと思います。

 10月には新潟県中越地震が起きました。大阪のスタジオで撮影をしているときにニュース速報が流れて驚いたのを覚えています。阪神大震災から10年目の年で、震災の話を撮っている最中に大きな地震が起きたことはショックな出来事でした。

 年末にはNHK紅白歌合戦に参加させていただいて、阪神大震災で被災された方から中越地震の方へのお手紙を代読させていただきました。とても説得力があるメッセージで、被災者の思いは実際に経験した人にしか分からないと実感しましたし、震災によって被災者の方の価値観が大きく変わっているように感じました。現在は新型コロナウイルスの感染拡大で世界中の人々が脅威におびえている状況ですが、同じように人間の価値観の変わり目なのかなと思います。

 ★夫役・姜さんは今も戦友の関係

 結婚式の撮影は神戸市垂水区のシーサイドホテル舞子ビラ神戸で実施。原田は「初めてウエディングドレスを着たのですが、着付けやメークを時間をかけてやってもらったり、参列者もすごく多くて本物の結婚式のようで楽しかった」と述懐。夫役の姜暢雄(きょう・のぶお、41)とのシーンについては「結婚するとか朝ご飯を作って姜さんを送り出す何気ないシーンも実体験がなかったので難しかったですが、回を重ねるごとに夫婦になっていった気がします。姜さんとは今も戦友のような関係です」とはにかんだ。