2020.4.18 05:04

【ヒューマン】豊田真由子さん、暴言騒動からイメージ一新 どん底で学んだ希望

【ヒューマン】

豊田真由子さん、暴言騒動からイメージ一新 どん底で学んだ希望

フジ系「バイキング」のコメンテーターとして注目を集める豊田さん。取材でも新型コロナや自身の過去を分かりやすく解説=東京都内

フジ系「バイキング」のコメンテーターとして注目を集める豊田さん。取材でも新型コロナや自身の過去を分かりやすく解説=東京都内【拡大】

 男性秘書への暴言問題で表舞台から姿を消していた豊田真由子元衆院議員(45)が3月からフジテレビ系「バイキング」(月~金曜前11・55)にゲストコメンテーターで出演し、話題だ。厚労省官僚時代に感染症対策などを担当しており、新型コロナウイルスの分かりやすい解説でイメージを一新。スポーツ紙のインタビューに初めて応じた豊田さんは、暴言の影響で落選した2017年の衆院選など失意の3年を踏まえ、「希望は必ずある。大変な時期でも生きていくしかない」と力説した。(ペン・山内 倫貴、カメラ・田村 亮介)

 豊田さんは取材場所のテーブルに新型コロナに関する見解をまとめた資料を十数個のクリアファイルにまとめて用意。前日の深夜に作成したといい、「とにかくちゃんと準備しないと気が済まない性格でして」と笑顔で明かした。

 3月9日から出演する「バイキング」でも入念な準備は同じ。コメンテーターは初挑戦で「(文字換算で)100行調べた中の3行をお話するイメージ」と奮闘。「生放送なので、口ごもると(司会の)坂上(忍)さんに突っ込まれます」と苦笑した。

 厚労省時代の2000年、米ハーバード大大学院で公衆衛生学を学び、07年にはスイス・ジュネーブに赴任。政府とWHOの調整役を務め、09年に新型インフルエンザ対策を担当した。

 「バイキング」では、中学1年の長男と小学5年の長女を育てる母親としての視点も意識しており、「きちんとしたファクト(事実)に基づきながら地に足をつけて、みんなで何をすべきかを伝えたい」と強調。全国に拡大された政府の緊急事態宣言は「不要不急の外出自粛や手洗いの徹底など、国民が生活の習慣を変える時期」ととらえ、新型コロナ終息に向けた重要な1カ月になると指摘した。

 衆院議員時代の17年6月に、「このハゲ~!」「ち~が~う~だろ~っ!」といった秘書への暴言や暴行が報じられ、自民党を離党。同年10月の衆院選では騒動の逆風で落選した。騒動を振り返り「反省という言葉では語り尽くせません」と神妙に謝罪。落選後は支援者の大多数が離れ、精神的疲労などで入院したという。

 当時、テレビやネット上で自身のことを報じられるたびに「人生の全てが崩れたし、死のうと思った」と追い込まれ、「体重は12キロやせて30キロ台になった」と告白。それでも、見舞いに訪れる家族に励まされ、「私のせいでいじめられて、つらい思いをしている子供を残して死んだら、子供に(苦痛を)一生背負わせてしまう」と母としての責任感が命の支えになった。

 騒動をめぐっては17年10月に傷害と暴行の疑いで書類送検され、同年12月に不起訴処分。その後、支援者の紹介などもあり、18年1月から社会福祉法人で介護や保育関連の仕事をしている。

 「バイキング」出演のきっかけは、新型コロナ感染に不安を覚える同僚らのために対策などをまとめた資料。これがテレビ関係者の目に留まり「分かりやすくて説得力がある」と評価された。

 オファーを受けた際は「平穏な生活になりつつある中、メディアに出るのは正直、怖くてためらった」と吐露。ただ、ちょうどその時期、落選後も温かく見守ってくれた支援者が亡くなった。葬儀に参列したかったが「迷惑がかかる」と配慮。葬儀前にひっそりと訪れ、最後の別れをした。

 「大切な人の葬式に行けない自分とは何だろう…」と自問自答した時期でもあり、結果として「自分が世の中に出るというより、仕事をして役に立つのが自分の生きがい」と出演を決断。その上で「最近は復活したとか言われますが、自分では全くそう思っていない」と断言。政界復帰も否定し「仕事も人生も、とにかく地道に」と繰り返した。

 「今でも人から『ハゲって言ってみて』と言われて少し絶望したり」と苦悩は続く。国内にも閉塞感が漂うが、「人類の歴史は感染症との戦いでもあるし、新型コロナも必ず乗り越えることができる」と力説。

 「自分は無事でも周囲が感染したら脅威は続く。だから今回は利己主義ではない連帯の社会システムを構築する機会」と前を向き、最後は「人間は苦しくても結局、希望を持って生きていくしかない」と自身の境遇に重ねるように訴えた。

★三度の飯より勉強好き

 新型コロナの影響で自宅で過ごす日々が多くなった豊田さん。厚労省、衆院議員時代は多忙で「家にはお母さんがいない家庭だった」と振り返った。

 最近は中1の長男と小5の長女とのコミュニケーションが増え、「勉強の進み具合を見ています」と母の顔。自身は東大法学卒だが「昔から『何でも知りたい』という気持ちが強くて、3度の飯より勉強が好きでした」。東大では奨学金とアルバイトで家計を助けていたという。豊田真由子事務局への問い合わせは、info.toyota.press@gmail.com。

豊田 真由子(とよた・まゆこ)

 1974(昭和49)年10月10日生まれ、45歳。千葉県出身。東大法学部卒。1997年、厚労省に入省。2011年の東日本大震災では老健局課長補佐として仮設住宅の高齢者福祉政策などを担当。翌12年の衆院選で埼玉4区から自民党公認で立候補し初当選。14年の衆院選でも再選。文科大臣政務官、復興大臣政務官などを歴任し、内閣府大臣政務官時代は東京五輪・パラリンピックを担当。

  • フジ系「バイキング」のコメンテーターとして注目を集める豊田さん。取材でも新型コロナや自身の過去を分かりやすく解説=東京都内
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