2019.10.15 05:01

台風19号の死者11県で56人に 孤立ケアハウス80人全員を救助

台風19号の死者11県で56人に 孤立ケアハウス80人全員を救助

浸水した「ケアハウス主の園」から救助される女性 =14日午後、埼玉県川越市

浸水した「ケアハウス主の園」から救助される女性 =14日午後、埼玉県川越市【拡大】

 台風19号による猛烈な雨の影響で甚大な被害が出た東北、関東など広範囲の現場では14日、警察や消防、自衛隊が取り残された人の救助や行方不明者の捜索を続けた。

 台風19号で甚大な被害を受けた地域では、岩手、宮城、福島、神奈川、静岡の5県で新たに死者が判明。11県で死者56人、行方不明者16人となった。

 被災地で懸命な捜索、救助活動が続く中、埼玉県川越市の「ケアハウス主の園」では、浸水で取り残された入居者80人が、14日午後までに全員救助された。施設や消防によると、けが人はいない。この施設に隣接する特別養護老人ホームでは13日に124人が救助されていた。

 施設近くの越辺川が氾濫し、両施設の責任者、渡辺圭司さん(57)によると、どちらの施設も13日未明に浸水。日常的に介護が必要な特養の避難を優先したが、「主の園」も浸水が長引き救助を要請した。

 14日昼、断続的に小雨が降る中、消防隊員が膝下まで水につかりながらゴムボートを入り口付近に近づけた。「もう大丈夫ですよ」。そう声を掛け、ライフジャケットを着た高齢者を乗せて救助。隊員がボートを使わずに車椅子ごと持ち上げて運ぶ場面もあった。

 救助後、小学校に避難した入居者の中には、体育館に敷かれたマットレスで体を休める人の姿も。依田次雄さん(93)は「施設の1階は水につかり冷蔵庫も流された。不安はあるけど前向きな姿勢でやるしかない」と語った。