2019.9.19 05:03

大林宣彦監督、がんと闘いながら作った映画完成「若い人たちも観て」

大林宣彦監督、がんと闘いながら作った映画完成「若い人たちも観て」

試写会に駆けつけた大林監督と妻、恭子さん。映画は3時間の大作だが、会場からは「アッという間だった」「何度も泣けた」と絶賛の声も=東京・東五反田

試写会に駆けつけた大林監督と妻、恭子さん。映画は3時間の大作だが、会場からは「アッという間だった」「何度も泣けた」と絶賛の声も=東京・東五反田【拡大】

 がん闘病中の映画監督、大林宣彦氏(81)の新作映画「海辺の映画館-キネマの玉手箱」が完成し18日、東京・東五反田のイマジカ東京映像センターで試写会が行われた。

 3年前に末期の肺がんで余命3カ月と告知され昨年、脳に転移。脳のがんが放射線治療で消えた後の昨年7月から9月まで、故郷の広島・尾道市を中心に同作を撮影した。体調は万全ではなく、今年7月からは毎月入院。抗がん剤で元々の肺がん治療を受けるかたわら、今月まで1年かけCG合成を含め編集作業を続けてきた。

 70代までは身長175センチ、体重72キロの偉丈夫だったが、今は160センチ、40キロ台に。この日も抗がん剤の副作用で体調不良のため車いすで来場したが、「平和の大切さを訴える映画を作るのが僕の使命」と力を込めた。

 同作は映画館に入った若い男性3人が映画の世界に吸い込まれ、時空を超えて歴史上の戦乱に巻き込まれる奇想天外なファンタジー。出演者の多くが何役もこなし、人間の醜さ、残酷さも怒濤のように描かれる。しかし、ヒロインの1人、成海璃子(27)の鮮烈なラブシーンから一転、人間賛歌も大きなテーマとなる。

 サンケイスポーツの取材に応じた大林監督は「映画で歴史を変えることはできないが、未来の歴史を変えることはできるかもしれない。それが僕の持論。若い人たちにも観ていただきたい」と柔和な笑顔で語った。来年の公開を前に、来月28日に開幕する「第32回東京国際映画祭」で上映される。

  • 「海辺-」の1シーン。左から成海璃子、常盤貴子ら豊かな感性の光る出演陣がそろった((C)「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作発表会/PSC2020)
  • 試写会に駆けつけた大林監督=東京・東五反田
  • 大林宣彦監督=2009年10月撮影
  • 「海辺-」の1シーン((C)「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作発表会/PSC2020)
  • 「海辺-」の1シーン((C)「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作発表会/PSC2020)