2019.9.8 10:00

中井貴一の秀逸な演技に注目 三谷監督が仕掛けた伏線も光る映画「記憶にございません!」/芸能ショナイ業務話

中井貴一の秀逸な演技に注目 三谷監督が仕掛けた伏線も光る映画「記憶にございません!」/芸能ショナイ業務話

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映画「記憶にございません!」の公開直前イベントに出席した左から小池栄子、中井貴一、ディーン・フジオカ、三谷幸喜監督=5日

映画「記憶にございません!」の公開直前イベントに出席した左から小池栄子、中井貴一、ディーン・フジオカ、三谷幸喜監督=5日【拡大】

 「中井貴一を男にしてやってください!」。

 5日夜、東京・西武新宿ペペ前で三谷幸喜監督が街頭演説風に訴えた。

 同監督がメガホンを執り、中井が記憶を失った首相役で主演した映画「記憶にございません!」(13日公開)のPRの一環で、中井やディーン・フジオカ、小池栄子も登壇し、大ヒットに向けて“最後のお願い”。

 三谷監督は「中井貴一の演技には嘘がない! みんなの力で彼の新しい代表作を作ろうではありませんか!」と熱く叫んだ。中井も「政治的な映画にはなっておりません。楽に観ていただける映画ですので、ぜひ家族で楽しんで」とアピール。通行人たちは足を止め、割れんばかりの拍手を送った。

 映画は史上最悪の首相・黒田啓介(中井)が、国民から石を投げられて記憶を失い、“普通のおじさん”になってしまう政界コメディー。秘書だけには真実を打ち明けるが、政治だけでなく、いろいろなことも忘れていて…。次々と起こるトラブルをとっさの機転で乗り切る。随所に笑いが散りばめられており、三谷ワールド全開だ。

 三谷監督の「マジックアワー」が大好きで、いまだに同作に主演した佐藤浩市を見ると思い出して笑ってしまう記者にとっては、「マジックアワー」ほどの笑いはなかったものの、逆にストーリー展開で同作以上に泣かされる部分もあった。何より三谷作品の特徴でもある伏線の使い方は秀逸。これも三谷作品の特徴の一つだが、有名俳優がいたるところに“ちょい役”で出ていて、エンドロールのクレジットで初めて分かる人もいた。もう一度見たくなる映画だ。

 キャスト陣が言うように政界を舞台にはしているが堅苦しい話ではなく、単純に笑って楽しめる作品。若い人が政治に興味を持つきっかけにもなるだろう。「マジックアワー」の佐藤も出演し、良い味を出しているのも個人的にはうれしいところだが、何よりも中井の演技力はさすが。シリアスからコメディーまで幅広く演じられる才能を改めて感じさせる。同作が大ヒットして、三谷監督が言うように、中井の新たな代表作になることを期待したい。(まろ)