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【朝ドラのころ】貫地谷しほり(1)3回目の挑戦で「朝ドラ」という名の高座に上がる

【朝ドラのころ】

貫地谷しほり(1)3回目の挑戦で「朝ドラ」という名の高座に上がる

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朝ドラのころ
「なつぞら」では広瀬(右)演じるヒロインの先輩アニメーター役を好演

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 「ちりとてちん」はオーディション(1864人が応募)でヒロインに選ばれました。朝ドラのオーディションは3回目の挑戦で、当時はほかの作品も含めてオーディションに落ちまくっていて…。マネジャーさんに「ちりとてちん」のオーディションを勧められましたが、また落ちると思って、最初は「受けません」って言ってました。今思えば、ほかの役者さんもたくさん落ちているはずなのに、悲劇のヒロインぶってたのかも。

 結局、チーフマネジャーに勧められて受けることになりました。2次審査では自己紹介があって、「ダンスが踊れます」と言って延々と踊りまくる人とか、みんなすごいんですよ。私は自己PRは苦手で、“事務所と自分の名前で終わり”みたいなタイプでした。

 それでも最終審査に進み、「ちりとてちん」を制作するNHK大阪放送局に行きました。事前に作品を想定した台本を渡され、高座のセットがありました。

 設定はひとりで落語を練習するシーン。そのときは「絶対に受かりたい」という気持ちが強くなっていました。そのせいか、高座に走り込む演技では勢い余って転んで、ほっぺを畳にこすっちゃったり(笑)。

 その後、演技のモニターチェックをしたとき、プロデューサーの方から「今まで朝ドラのオーディションに受からないでくれてありがとう」って言われました。そう言っていただいてうれしかったし、「私、受かったの?」と思いました。ただ、最終審査では友達の役者さんとバッタリ会ってしまって。どっちが受かってもいやだし、複雑な気持ちになりました。

 「ちりとてちん」では故郷の福井県小浜を飛び出して家族と離れ、大阪で落語家を目指す喜代美を演じました。常に最悪のことを想定して、そうならなければラッキー、みたいな後ろ向きの性格で、これまでの明るいヒロイン像とは一線を画すものでした。

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  • 「ちりとてちん」で上方落語に初挑戦した貫地谷は、独特の言い回しや所作など特訓の成果を披露
  • 朝ドラの会見に出席した前列左から京本政樹、江波杏子、貫地谷、和久井映見、松重豊、後列左から原沙知絵、橋本淳、渡辺正行=2007年7月