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酷暑停電→車両停止→空調も停止 京成線で乗客缶詰、熱中症で9人搬送

酷暑停電→車両停止→空調も停止 京成線で乗客缶詰、熱中症で9人搬送

八広駅で体調不良を訴えた乗客の対応に追われる救急隊員ら

八広駅で体調不良を訴えた乗客の対応に追われる救急隊員ら【拡大】

 東京消防庁によると、到着した八広駅で20~60代の男女15人が、手足のしびれやめまいなどの体調不良を訴え、男女計9人が病院に搬送。熱中症と診断された。

 停電のため、直通運転している都営地下鉄浅草線や京急電鉄、北総鉄道でも運行中の電車が停止。京成の各線は午前11時前に運転を再開したが、ポイントが切り替わらなくなる不具合も起き、接続している路線を含め運休や遅れが午後も続いた。

★専門家の目

 今回の停電は来夏の東京五輪・パラリンピックを考えれば楽観視できないトラブルだ。大会中は日本に不慣れな訪日客も増え、さらなる混乱を呼びかねない。車両に自走用の蓄電池を搭載するなど抜本的な対策も技術的には可能だが、鉄道各社の全車両に準備するには年単位の期間が必要で間に合わない。

 一方、近年は全国で鉄道の輸送トラブルが増えている。特徴は復旧までに時間がかかること。信号システムの不具合なら最短で30分、電力供給面のトラブルなら2~3時間かかるケースが多い。

 夏場の立ち往生の場合、乗客が取れる対策は早い段階で窓を開けることくらい。ただし、車内の温度が40度近くまで上昇すれば生命の危険に関わる。停電なら他の車両も動いていないことが予想される。車両外に降りないまでも、乗客の自主判断で非常用コックを操作し、ドアを開放することが必要かもしれない。(高木亮教授・工学院大工学部電気電子工学科、電気鉄道システムが専門)

  • 停電で京成線がストップ。押上線八広駅周辺には体調不良を訴えた乗客を搬送するため多くの救急車両が集まった
  • 同駅周辺で待機する救急車両=6日午前、東京都墨田区
  • 京成電鉄で停電が発生し、体調不良を訴えた乗客が病院に搬送された押上線八広駅(右上)周辺に集まった救急車両など=東京都墨田区(共同通信社ヘリから)