2019.7.12 05:02

【評伝】竹村健一さん、テレビ番組のアシスタントだった小池都知事を叱ったことも

【評伝】

竹村健一さん、テレビ番組のアシスタントだった小池都知事を叱ったことも

 産経新聞正論メンバーで第5回正論大賞を受賞した評論家の竹村健一(たけむら・けんいち)さんが8日午後7時38分、多臓器不全のため東京都内の病院で死去したことが11日、分かった。

 竹村さんの評論家としての人生を決めたのは、米国留学だった。

 1953年、フルブライト奨学金を得て渡米。「何を学んだかと問われれば、私は『アメリカ人は弱い者に親切だ』と答える。何よりも私はこれが最も心に焼きついた」。貧しい国からやって来た留学生は毎週末、米国人家庭に招かれ、夕食をごちそうになった。

 帰国後、英文毎日記者などを経て大学教員になり「メディアはメッセージ」との主張で知られる文明批評家、マクルーハンのメディア論に出会う。マクルーハンを通してメディアの特性を深く理解した竹村さんは、以後、半世紀にわたってあらゆるメディアを舞台に活躍した。

 かつて日本テレビ系時事番組「竹村健一の世相講談」でアシスタントを務めた小池百合子・東京都知事は、サウジアラビア国王の死去について述べようと「ハーリド国王が…」と話し始め、竹村さんに叱られたという。

 「君はアラブのことを知っているから『ハーリド国王』といえば、すぐに分かるが、視聴者はサウジアラビアという国があって、そこは王制でというところから説明しないと分からない。ただし、説明が長すぎると飽きられるよ」

 メディアを知り尽くす、竹村さんらしい叱咤(しった)だった。

小池百合子・東京都知事「竹村先生とはテレビ番組でもご一緒し、大変学ばせていただきました。お亡くなりになったとの報に接し、大変残念に、また寂しく感じております。謹んで哀悼の意を表し、心からご冥福をお祈りいたします」