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「グランプリ女優」京マチ子さんが死去、95歳 親友の石井ふく子さんら看取った

「グランプリ女優」京マチ子さんが死去、95歳 親友の石井ふく子さんら看取った

京マチ子さんの主な代表作

京マチ子さんの主な代表作【拡大】

 49年に映画会社の大映に引き抜かれ、故宇野重吉さんと共演した「痴人の愛」に出演。160センチと当時としては長身で豊満な肢体、はっきりとした目鼻立ちで自由奔放な女性を妖艶に演じ、官能的な肉体派女優として一躍注目を集めた。

 後輩の若尾文子(85)、山本富士子(87)とともに大映の看板女優として活躍。ベネチア国際映画祭で黒澤明監督の「羅生門」、カンヌ国際映画祭で衣笠貞之助監督の「地獄門」と、出演作が海外の映画祭で相次いで最高賞を受賞し、「グランプリ女優」と呼ばれた。ハリウッド映画「八月十五夜の茶屋」では故マーロン・ブランドさんと共演。日本初の国際派女優でもあった。

 71年に大映が倒産した後は舞台やテレビなどに活躍の場を広げ、TBS系「犬神家の一族」やテレビ朝日系「必殺シリーズ」などに出演。東宝配給の映画「華麗なる一族」では、佐分利信さん扮する万俵家当主の愛人役で女の業の深さを演じきり、話題となった。

 ただ、熱狂的なファンが京さん宅で自殺を図ったことや「硫酸をぶっかける」と脅されたこともあった。いつまでも若々しいことで知られ、晩年まで美意識が高かった。友人と外食に出掛ける際には大きなサングラスに品の良い服をまとい、上品なたたずまいは平成に時代が変わろうと昭和の大女優そのものだった。

京 マチ子(きょう・まちこ)

 本名・矢野元子(やの・もとこ)。1924(大正13)年3月25日生まれ。大阪市出身。小学校を卒業後、大阪松竹歌劇団を経て49年、大映に入社。同年、安田公義監督「最後に笑う男」でデビュー。同年の映画「痴人の愛」で肉体派女優として人気に。50年の映画「羅生門」がベネチア国際映画祭金獅子賞、53年の「地獄門」がカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、「グランプリ女優」と呼ばれた。71年以降はドラマや舞台でも活躍し、代表作は映画「雨月物語」、ドラマ「犬神家の一族」「必殺シリーズ」など多数。87年に紫綬褒章、94年に勲四等宝冠章を受章した。

  • 日本人離れした体と顔立ち、妖艶な演技で元祖国際派女優として活躍した京マチ子さん=1995年撮影