2019.4.16 07:41

ノートルダム大聖堂で大規模な火災 高さ約90メートルの尖塔焼失

ノートルダム大聖堂で大規模な火災 高さ約90メートルの尖塔焼失

火災が発生したノートルダム寺院。屋根が激しく炎上し、高さ約90メートルの尖塔が崩落した(AP)

火災が発生したノートルダム寺院。屋根が激しく炎上し、高さ約90メートルの尖塔が崩落した(AP)【拡大】

 【パリ=三井美奈】フランスを代表する観光名所、パリのノートルダム大聖堂で15日夕(日本時間16日未明)、大規模な火災が起き、中央部分の屋根が崩壊し、高さ約90メートルの尖塔(せんとう)が焼失した。消火作業は16日未明(同16日朝)も続き、周辺の交通は遮断され、観光客らが避難した。

 ルモンド紙(電子版)によると、出火元は屋根裏にある改修工事用の足場付近とみられており、検察が捜査を開始した。消防ヘリコプターによる上空からの放水は「建物全体の崩壊につながる恐れがある」として見送られ、約400人の消防隊が地上から消火活動を行った。仏政府によると、負傷者がいるとの報告はない。出火は午後7時前で、閉館時間の後だった。

 大聖堂は12世紀に着工し、約180年かけて完成した。19世紀に皇帝ナポレオンが戴冠(たいかん)式を行い、文豪ビクトル・ユゴーの作品「ノートル・ダムのせむし男」の舞台となるなど、フランスの歴史を刻んできた。大聖堂が立つセーヌ川岸一帯は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されている。

 マクロン大統領は15日夜、現地を視察し、「大聖堂は国民の歴史や文学そのものであり、生活の中心だった。大聖堂は再建する。国民も望んでいる」と述べ、再建への協力を呼びかけた。セーヌ川沿いでは数千人が16日未明まで大聖堂の消火作業を見守り、路上にひざまずいて祈るキリスト教徒の姿も見られた。

 ローマ法王は報道官を通じて、大聖堂は「キリスト教のシンボル」であり、火災のニュースに「ショックを受け、悲しんでいる」との声明を出した。

 大聖堂は昨年から大規模な改装工事に入り、尖塔を囲む銅像の移転作業が行われたばかり。「バラ窓」と呼ばれる丸いステンドグラス、重さ13トンの大鐘「エマニュエル」などで知られる。フランスで最も人気の高い観光地で、年間約1200万人が訪れる。21日のキリスト教祝日「復活祭」を前に、観光シーズンを迎えていた。(産経新聞)

  • 炎を上げるノートルダム大聖堂=15日、パリ(AP)
  • 煙を上げるノートルダム大聖堂=15日、パリ(ロイター)
  • 燃える大聖堂を祈りながら見上げる市民ら=15日、パリ(AP)
  • 煙に包まれるノートルダム大聖堂=15日、パリ(ロイター)