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【朝ドラのころ】松嶋菜々子(3)せりふ言えず自己嫌悪…台本持ったまま寝ていたことも

【朝ドラのころ】

松嶋菜々子(3)せりふ言えず自己嫌悪…台本持ったまま寝ていたことも

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松嶋菜々子

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 撮影が中盤を過ぎて、ようやく役を演じることに慣れてきたころ、せりふをうまく言うことに気を取られ、緊張しすぎて1行のせりふも言えなくなりました。

 涙を流したり感情的になる演技が多く、リハーサルではできたのに、本番でできなくなってしまって…。NGを出せば出すほど手が震えてきて、私がせりふを言い終わらないと一日が終わらないし、皆が帰れないんだと思うとまた緊張することを繰り返していました。

 家に帰ると自己嫌悪になりましたが、翌日も撮影があります。台本を持ったまま寝ていて、朝起きたら、台本が体の上に乗っていたのは日常茶飯事でしたね。本当に追い詰められて最後にたどり着いたのは、とにかく人に迷惑をかけないように、せりふを言い切ること。うまく言おう、こんな表情にしようとか考えず、間違えずに言うと決めたら、集中できるようになり、やっと言えるようになりました。

 祖母役の藤村志保さんは、撮影をしながら別のシーンのせりふも暗唱していて、先輩方はすごいなと思いました。藤村さんがいつもおっしゃっていた「1つ1つよ」という言葉から「撮影中のこのシーンのことだけを考えよう」と思えましたし、良い意味で力が抜けた瞬間が何度もありました。

 結局、苦しいことは、自分の中で折り合いをつけないと次に進めません。そのときに学んだのは、自分を苦しめるのは自分で、苦しさから抜け出すためには自分で考えて抜け出さなくてはいけないということでした。

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