2019.2.28 12:00

戸田恵梨香が「平穏な暮らしの大切さ」を体現する意欲作「あの日のオルガン」/週末エンタメ

戸田恵梨香が「平穏な暮らしの大切さ」を体現する意欲作「あの日のオルガン」/週末エンタメ

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戸田恵梨香が「平穏な暮らしの大切さ」を体現する意欲作「あの日のオルガン」

戸田恵梨香が「平穏な暮らしの大切さ」を体現する意欲作「あの日のオルガン」【拡大】

 2006年公開の「デスノート」で映画デビュー。以後、フジテレビ系の「LIAR GAME」や「コード・ブルー」、TBS系「スペック」など人気シリーズなどで注目を集めてきた戸田が新境地を開拓した。

 公開中の主演作「あの日のオルガン」は太平洋戦争末期の1944年、日本で初めて園児を連れて集団疎開した東京・戸越保育所の実話をもとにした物語。メガホンを執るのは、長年にわたり山田洋次監督(87)とのコンビで共同脚本や助監督を務めてきた平松恵美子監督(51)だ。

 戸田は主任保育士の板倉楓役を演じ、子供たちの命を守るため、空襲警報で防空壕(ごう)への避難が続く東京からの集団疎開を決断。父母を説得し、埼玉・平野村(現蓮田市)の妙楽寺で若手女性保育士と53人の子供たちが疎開生活を開始するも、慣れない生活で疲労が蓄積。戸田とW主演の大原櫻子(23)演じる天真爛漫(らんまん)な“みっちゃん先生”こと野々宮光枝がオルガンを奏で子供たちを勇気づけるも、45年3月10日、東京は大空襲に見舞われ、平野村にも空襲警報が鳴り響く日々が訪れる…。

 戸田は芯の強い性格で周囲から慕われる役どころ。これまでは個性的なキャラクターで存在感を発揮することが多かったが、今作では戦争に対する怒りや悲しみ、園児への深い慈しみなど内面に秘めた感情を表現する。

 神戸市出身の戸田は1995年の阪神・淡路大震災で被災。当時は6歳で「近所のおじちゃんやおばちゃん、そして、街が突然消えた」と振り返る。当時、「死」というものを目の当たりにしただけに、「これまでは戦争を題材にした作品に対し、戦争とはこういうことだと、作り手の考えを押し付けるのでないかと怖れを感じてきた」と告白。しかし「この作品には平穏な暮らしの大切さ、人はひとりでは生きていけないという現実が描かれていて、出演を決めた」という。

 2月19日に東京・日大芸術学部で行われた「あの日のオルガン」のイベントで戸田は「戦争の作品というと重くなりがちですが、『戸田恵梨香が出てる』とか『大原櫻子が出てる』とか、理由は何でも良いんです。とにかくみてほしい」と深い愛着をアピールしていた。

 昨年10月期のTBS系「大恋愛~僕を忘れる君と」では夫と息子を一途に愛する若年性アルツハイマーの女性を演じ、9月30日からはNHK連続テレビ小説「スカーレット」に主演。覚悟を持って熱演した「あの日のオルガン」を転機に、戸田の新たな女優人生が始まる。   (山内倫貴)

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