2018.11.1 12:00

宝塚の若きトップコンビの集大成となる月組公演「エリザベート」/週末エンタメ

宝塚の若きトップコンビの集大成となる月組公演「エリザベート」/週末エンタメ

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宝塚歌劇団月組「エリザベートー愛と死の輪舞ー」で黄泉の帝王・トートを演じる珠城りょう(右)、オーストリア皇后・エリザベートを演じる愛希れいか(C)宝塚歌劇団

宝塚歌劇団月組「エリザベートー愛と死の輪舞ー」で黄泉の帝王・トートを演じる珠城りょう(右)、オーストリア皇后・エリザベートを演じる愛希れいか(C)宝塚歌劇団【拡大】

 宝塚歌劇団月組公演「エリザベート-愛と死の輪舞-」が東京宝塚劇場で上演されている。

 黄泉の帝王トートが愛した悲劇のオーストリア皇后エリザベートの生涯を描くウィーン発のミュージカル。1996年に宝塚雪組で初演以来、250万人以上を動員している大ヒット作だ。

 宝塚では10度目の上演で、トップスターの珠城りょうが10代目トートに挑戦した。これまでトートは死の象徴だったが、製作発表で演出家の小池修一郎氏は「(今回は)エネルギッシュなトート」と予告。5組のトップで最も若く、大らかなヒーローを感じさせる珠城は、青い血が流れた死神のイメージとは遠いタイプだが、彼女が演じるトートには生命力が宿り、誠実で、新たなトートの誕生を印象づけた。

 珠城は男役らしい男役と呼ばれる持ち味をいかし、「黄泉の帝王の絶対的存在感」を大切に熱演。エリザベートを死に誘うことで愛を成就させようとするトートについて、「こんなにも感情を表現してもいい役なんだと思いました。“静と動”の差を明確に表現しようと作ってきました」と力を込めた。

 18日の千秋楽で退団する娘役トップの愛希れいかは、エリザベート役で約10年間のタカラジェンヌ人生を締めくくる。

 2009年の入団時はフェアリータイプの男役で、子役や女役も好演。約2年間の男役経験を経て、娘役に転向後はスター街道をばく進した。12年に娘役トップ就任後は「ロミオとジュリエット」のジュリエット、「PUCK」のハーミア、「1789」のマリー・アントワネット、「舞音」のマノンなど、清楚な少女から魅惑的な女性、気品ある女性まで変幻自在に演じてきた。

 女性の一代記でもある「エリザベート」は、愛希が演じてきた多彩なヒロインがフラッシュバックする集大成。エリザベートの少女時代では無邪気にあっかんべーをするおてんばぶりを披露。皇帝フランツ・ヨーゼフの妻になった後は宮廷の生活に息苦しさと孤独感を感じ、死への欲望に揺れながら、自由を求めて年月を重ねていくさまを細やかに表現した。

 自分の意思で生きる覚悟を決めたエリザベートの気持ちを描いたミュージカルナンバー「私だけに」では、巣立ちへの決意を感じさせる絶唱。約6年の任期は最近の宝塚では長期間にあたるが、最後まで鮮度を失わず、万華鏡のような娘役だと感じた。(小山 理絵)

  • 宝塚歌劇団月組「エリザベートー愛と死の輪舞ー」で黄泉の帝王・トートを演じる珠城りょう(右)、オーストリア皇后・エリザベートを演じる愛希れいか(C)宝塚歌劇団
  • 宝塚歌劇団月組「エリザベートー愛と死の輪舞ー」で黄泉の帝王・トートを演じる珠城りょう(前列)(C)宝塚歌劇団
  • 宝塚歌劇団月組「エリザベートー愛と死の輪舞ー」で黄泉の帝王・トートを演じる珠城りょう(C)宝塚歌劇団
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