2018.9.6 14:44

林家木久扇師匠のマルチの才能に乾杯!/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム
絶賛発売中の本「詩とファンタジー」を手に笑顔の林家木久扇

絶賛発売中の本「詩とファンタジー」を手に笑顔の林家木久扇【拡大】

 落語家であり、漫画家。笑点で人気者の林家木久扇師匠(80)は、実は漫画もプロだ。漫画展が8月中旬、神奈川・鎌倉生涯学習センターで行われた。落語の世界をたくみに漫画で表現し、笑いを誘う。鎌倉は、この才能を育ててくれた第二の故郷。師匠が落語家になる前、“黄桜のカッパの絵”でおなじみの漫画家、清水崑の書生として1956(昭和31)年から4年間を過ごした思い出の地なのだ。

 「寿限無」や「まんじゅうこわい」、「時そば」、「長屋の花見」など、会場には落語のシーンを描写した色とりどりの漫画が、ずらり61点、展示されていた。

 「大勢のお客さまが来場くださり、本当にうれしい限りです。思い出がたくさん詰まった鎌倉にくると、当時を思い出して元気が出てきますね」

 師匠も笑顔。お客さんも笑顔。私も含め、みな笑顔だ。

 師匠が描く漫画は、NHKの番組「日本の話芸」のオープニングや、あの有名な木久蔵ラーメンのパッケージ、笑点のカレンダーなどで目にすることは多い。いざ展覧会で原画を目の前にすると、1枚1枚がさらに光り輝いて見えた。とにかく色彩が美しいのだ。

 時を同じくして、作品を収録した「別冊 詩とファンタジー まるごと林家木久扇」(かまくら春秋社発行、1000円+税)も発刊された。

 「元気が出てくる、いい本でしょ?」と、本を大切に抱きしめる師匠。子供のように、かわいい存在であることが伝わってくる。息子の木久蔵、孫のコタとの親子三代による対談や、弟子、笑点メンバーのインタビューなど盛りだくさんの内容で、漫画展でも自ら即売会に立ってサインを入れ、ファンと交流した。

 「鎌倉にくる前は、森永乳業に半年務め、寒くて辞めてしまいました。そんなとき、漫画が好きだった僕に友達が紹介してくれたのが、清水崑先生。僕はもともと物まねが好きで、よくやっていたら、先生が『落語という職業があって、ちょっとやってみたら?』ってね。そして紹介されたのが、桂三木助で、昭和35(1961)年に入門したんですよ」

 鎌倉での4年間が、落語家人生と見事に“コラボ”した展覧会。師匠の最大の魅力が発揮された空間だった。

 80歳にしてエネルギッシュに行動。理由がある。展覧会にも同行していた11番目の弟子、林家木はち(23)が9月1日に見習いから前座になり、浅草演芸ホールでの9月上席昼席から寄席入りした。展覧会の際、落語の仕上がりについて「聞いていて、ずっこけちゃった」と独特の言い回しで“激励”した師匠だが、木はちの寄席入りを耳打ちしてくださったのも、また師匠だ。

 一門の“末っ子”の出番はこれからだが、まだまだ愛情を注ぐべき弟子がいる。それが師匠の原動力。そして、そのマルチの才能が、これからも楽しみだ。(山下千穂)

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