2018.8.30 12:00

映画「累-かさね-」でダブル主演 注目若手女優マル秘エピソードを解禁!

映画「累-かさね-」でダブル主演 注目若手女優マル秘エピソードを解禁!

 土屋太鳳(23)と芳根京子(21)。ぜいたくなダブル主演映画である。実力派の若手女優2人が、フジテレビ・東宝・講談社製作の映画「累-かさね-」(佐藤祐市監督、9月7日公開)で初共演する。

映画「累-かさね-」メインビジュアル©2018映画「累」制作委員会©松浦だるま/講談社

 《累(芳根)は幼い頃から自分の醜い容姿に劣等感を抱いてきたが、母譲りの天才的な演技力を持っていた。ある日、圧倒的な美を持つニナ(土屋)と運命に導かれるように出会う。美貌と才能という互いの欲望が一致した2人は、1本の口紅の力を使って顔を入れ替える決断を…完璧な女優が誕生した瞬間だが、その先には欲望と嫉妬が渦巻く》

 原作は、松浦だるまが描くベストセラーコミック。この日本版「ブラック・スワン」ともいえる作品に、NHK連続テレビ小説のヒロイン出身という縁で結ばれた土屋(2015年の『まれ』)と芳根(16年の『べっぴんさん』)が“競演”。鬼気迫る表情でそれぞれが“1人2役=2人1役”を演じる。

 このほど都内で開かれた完成披露試写会に合わせて2人が取材に応じた。

特別インタビューに応じた丹沢ニナ役の土屋太鳳(左)と淵累役の芳根京子

--撮影に入る前の印象と実際に入られて何か意外に思うところはありましたか

 土屋「きょんちゃんとは『花子とアン』(14年のNHK連続テレビ小説)で一緒だったのですが、そのときはしっかりお芝居するところは少なかったので、ゆっくりお話しができませんでした。イメージは“健気な子”でした。その後『表参道高校合唱部!』(芳根の初主演ドラマ)も拝見して“朝ドラのヒロインに来そうだな”と思っていたら本当に来ました(笑)。おとなしい印象もありましたが、なんかこう…(ややあって)おとなしくないわけではないけど(と笑顔で芳根の方を見て気遣う)」

芳根「(にこやかに)いいんです、いいんです」

土屋「花火が最後にパーッと上がるような、実際はエネルギッシュでパワフル。いろんな人に愛されるなと思いました」

芳根「『花子-』のときはお話ができるタイミングがなかったけど、そのあと朝ドラのオーディションを受けに行ったときに、たおちゃんがたまたま撮影中で、そのオーディションの控え室に来てくださった。そこに私がいた。“頑張ってね”とみんなに言って去って行った姿がもうびっくりして“なぜ今ここにいらっしゃる?”という感じでした」

--とても印象深かったのですね

芳根「そのあとで私も朝ドラを経験させていただいたので、本当に大変なスケジュールの撮影で忙しいのに、その合間にオーディションの場所に来て気にかけてくださった。“優しい方だな”と勝手に一方的に思っていたので、こうしてたくさんお話をさせてもらえてすごくうれしい。いつかご一緒したいとは思っていたけど、2人で1つの役を作らなくてはいけないという、普通の作品とはちょっと違う役をたおちゃんと共有できることはとてもうれしかったです」

土屋「ありがとう!」

--土屋さんは覚えていらっしゃいましたか

土屋「(記憶をたどりながら)オーディションのところに知り合いのスタッフさんたちがいたので…そこに、きょんちゃんがいたということに今びっくりしました」

芳根「そう、いたんですよ。たおちゃんにとっては大勢の中の一人だったから、今こうして並んで座っていること、そして映画が終わったときに名前が出るじゃないですか。そのときに“ああ、たおちゃんと一緒に名前が並んでいる”と震えました」

土屋「こちらこそ、こちらこそ」

芳根「撮影に入ったとき“タメ口でいいよ”と言ってくださったけど、私にとっては恐れ多くてそれはできないから、せめて“たおちゃんと呼ばせてください”と」

--すてきな共演関係ですね

土屋「きょんちゃんは本当に愛されると思います」

芳根「たおちゃんも(笑)」

土屋「とにかく、きょんちゃんの笑い声を聞いたら笑える。映画では重いシーンや胸が苦しくなる場面が多いので、そういう関係性のときは、相手と距離を取る方もいらっしゃいますが、難しい関係性だからこそしっかりとコミュニケーションを取る現場でありたかったし、いろいろと相談しました。そうしたら、きょんちゃんはちゃんと汲んでくださる人で受け入れてくれました」

芳根「1つの役を2人で向き合うことはなかなかないと思うから、2人で役に対していっぱい話しました。だから同世代で1つの役を乗り越えられた。たおちゃんが最初に“協力して支え合おう”と言ってくれたおかげで、現場が楽しかったと思えました。ありがとうございます。」

--2人は似ていると言われるそうですね

芳根「すごくうれしい。でも監督は”中身はぜんぜん違う“と。”むしろ正反対だ”とおっしゃるので、それがお互いのよさなのかなと思います」

累とニナの顔が入れ替わる重要なキスシーン©2018映画「累」制作委員会 ©松浦だるま/講談社

--難役だったと思いますが、役の壁にぶつかっても乗り越えられたのはコミュニケーションのおかげですか

土屋「そうですね。クライマックスで劇中劇『サロメ』(ニナの顔をした累が演じる)のシーンがあって、累の物語と重なっていく。ニナは夢をかなえようとした方法が間違ってしまった。自分でいるべきなんだけど人を使ってしまったコンプレックス。累は自分と顔を入れ替えることでもっと発生してしまったコンプレックス。同じだけど、それがサロメに重なるようにいろいろ考えて…屋上の激しいシーンはアクションもあり、頭で感情をぶつける場面もあり、苦しかったし難しかったです。感情をぶつけるシーンは、きょんちゃんが納得いかなくて何回もテストを繰り返して…」

芳根「うーん、うーん(と何度もうなずく)」

土屋が圧巻のダンスを披露する劇中劇『サロメ』(左)と、芳根が何度もテストを重ねて鬼気迫る演技をみせる屋上のシーン ©2018「累」制作委員会 ©松浦だるま/講談社

土屋「きょんちゃんにはきょんちゃんの生きてきた累の時間があるから何回も撮る。そのうち監督ときょんちゃんの意見がどんどん重なっていく。それが擦れるのではなく、感情という皮みたいなのがどんどん太くなっていくように感じたので、見ていてすてきだなと思いました。この映画は女優として試される作品と感じていたので不安もありましたが、そのシーンを見て少し安心しました」

芳根「屋上のシーンは精神的にきつかった。”ニナにひどいことを言われてもつらくはなかった”と監督に言ったら、”その気持ちを大切にしていいよ“と返ってきたけど、一番苦しい撮影だった。頭と感情がつなげられなかった。私は喉が結構強くて、風邪を引いたときしか声はつぶれなかったけど、生まれて初めて声が枯れました」

--ところで、口紅が使えたら誰になりたいですか

土屋「田中裕子さん。朝ドラ(『まれ』)でご一緒させていただいて、人としても女優としても本当にすてきな方。お寿司を食べに横浜へ行ったときも”たおー”ってめっちゃ走ってきてくれるんです。その姿を見て”こういう人になりたいな”と」

芳根「石原さとみさん(現在連ドラで共演中)。本当にお美しい。それから”なりたい顔1位”になって親に感謝したい(笑)」

 取材の途中、土屋が「あ、今、おなかが鳴った。胃が活発」とゲラゲラ。直前にカレーを食べたとかで「3種類も。おいしかったねえ」と2人で顔を見合わせ、また大笑い。

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 また、佐藤監督がふいに部屋をのぞくと、そろってうれしそうな表情をみせる。そんな光景を見ていると、随所に深い信頼関係が伝わってくる。土屋は圧倒的なダンス力とパフォーマンスでサロメを披露しているが、「機会があれば、サロメの舞台を佐藤監督の演出でやってみたいですね」と話していた。

 映画「ストロベリーナイト」「キサラギ」などを手がけた佐藤監督は、土屋について「直感でも動けるほど、自分のなかできちんと積み重ねたものを現場で出す。本当にすごく真面目な人」と評価。一方、芳根については「どちらかというと感覚的にお芝居をするタイプだけど、瞬発力がすごい」と評する。

 現在、土屋は連ドラ「チア☆ダン」(金曜後10・0、TBS系)、芳根も「高嶺の花」(水曜後10・0、日テレ系)に出演中で多忙。「たおちゃん」「きょんちゃん」と呼び合う仲良しの2人は「終わったらご飯に行きたいね」と約束していた。

 映画は、2人から思いを寄せられる新進気鋭の舞台演出家・烏合(うごう)に横山裕(関ジャニ∞)、2人を引き合わせるキーパーソンともいえる謎の男・羽生田(はぶた)に浅野忠信、累の母で伝説の大女優・透世(すけよ)に檀れい。

若い世代を中心に人気を博す歌姫・Aimerが歌う主題歌「Black Bird」

 初の実写映画主題歌となる「Black Bird」は、映画公開日と同じ9月7日でデビュー7周年を迎える女性シンガー、Aimer(エメ)の書き下ろし。深みのあるハスキーボイスが魅力的で、まず映画の内容をこう解釈した。

 「他者との比較の中で個々に生まれる劣等感、優越感、そして美醜のジャッジ。誰もが大なり小なり心の奥底に抱えながら普段は目を背けている、そんなどろどろした場所に累はナイフを突き立てる。”キスで顔が入れ替わる”という唯一無二の設定によってそのナイフはいっそう深く刺さっている」

初めて実写映画の主題歌を担当したAimer

 一方で、自らも考えさせられた。

 「自分は果たして、ありのままの自分を認めて生きているだろうか」

歌詞は、各々の役とエンドロールに自分の声が流れるイメージを膨らませることによって自然と引っ張られ、あっという間に書き終えたという。「レコーディングでは日々感じているリアルな思いをすべて流し込んだので、普段より生々しくなったように思う」と話す。

 タイトルは、劇中で累が演じた舞台「かもめ」からヒントを得て、また黒い髪で顔を隠す累のイメージも絡めた。「愛されたくて、誰かを羨んで、それでも必死に生きているBlack Bird=黒い鳥。それは誰もが心に棲まわせている鳥で、累やニナ自身でもある。その心情を言葉にすることで映画を彩り、聴く人の心にも寄り添えたら」とフランス語で「愛する」を意味するAimerは語っていた。