2018.8.15 10:00

酷暑に思い出す「スポ根練習」

酷暑に思い出す「スポ根練習」

特集:
女子社員コラム 言わせて系

 【女子社員コラム 言わせて系】暑い、毎日暑すぎる。今年は猛暑のさらに上をいく「酷暑」だという。暑さに弱い私は生きることで精いっぱい。昨今では、朝の天気予報でニュースキャスターが「日中での活動、スポーツは危険です」と警告するほどである。

 この時期になると思い出すのは、大学時代に所属していたテニスサークルだ。本来のミーハーな気質に加え、上京したばかりで浮かれ気分だった私はこのサークルに飛びついた。

 ここが間違いの始まりだった、といっても過言ではない。華やかな美男美女の先輩に勧誘され、入ったそこは“ガチ”だった。練習は毎日あり、本末転倒な気もするが、幹部・選抜メンバークラスになると、授業を休んでまで練習している。考える隙を与えられないまま、そこに両足を突っ込んだ形となり、友人関係も形成され、気づいた頃には抜け出せず、夏を迎えていた。

 夏休みに入った瞬間から「強化練」と称し5日間、東京都内近郊のコートで朝早から夕方までみっちり練習。そのまま10日間の夏合宿に突入するという、恐怖の2週間だった。

 炎天下の中、自分の練習はもちろんのこと、1年女子は球拾いに加え、球出しする先輩の後ろに付いてボールを間断なく供給するという役割があり、一瞬たりとも気の休まる時間はない。数カ月前まで受験勉強に明け暮れていた、もやしっ子の1年女子は暑さでバタバタと倒れ、気づけば“生存”している同級生は私を含め3人だけ。コートの隅には1年女子数十人が転がっていた。

 その後、合宿に移行してからも早朝5時から顔を洗う間も与えられぬまま全力ダッシュ。合宿最終日には、謎の20分間ストローク(20分間中断することなく球を打ち続ける、昭和のスポ根練習メニュー)が待っていた。感極まって泣いている輩が出る始末である。他にも筆舌に尽くし難い、恐怖のエピソードが蘇ってくる。

 今となっては良い思い出で、この過酷な時期をともに過ごした友人は一生ものとなり、自分自身も心身ともに鍛えられたという自負はある。しかしあのとき、違う選択をしていたなら、「箸より重いものは持てません」という清楚な女性になれていたのではないか、と今でもたまに悔やまれてならない。(東山智子)

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