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【乾坤一筆】オウム事件から“離れてしまった”後悔の念

【乾坤一筆】

オウム事件から“離れてしまった”後悔の念

特集:
ベテラン記者コラム・乾坤一筆

 オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚ら7人に続いて、残りの死刑も執行された。さまざまな論議はいまだ飛び交っているが、複雑な思いを募らせている。

 地下鉄サリン事件発生直後の築地本願寺境内の地獄絵図は、今も鮮明な記憶だ。2日後、上九一色村の第6サティアンの前。当時は携帯電話も通じず、ラジオで各地に一斉捜索に入ったというニュースが聞こえるのに、まだ捜査員が来ない。「残留サリンで集団自殺するかもしれない」という話が流れ、報道陣は信者に顔写真を撮られながら、やがて機動隊員の足音が聞こえた。安堵(あんど)感を覚えると同時に、先頭の隊員がカナリアを手にしている姿に震えた。まだサリンに関する知識も準備もなく、風邪用のマスクだけを握っていたのも、今なら笑えるがそれが現実だった。

 前年の松本サリン事件からすべての現場に立った。一連の裁判は2年半近く通い、破防法の弁明手続きも東京拘置所で聞いた。公安部の警察官から「教団施設からあなたの写真と名刺も出てきたよ」と知らされ背筋に寒いものが走ったこともある。だが裁判の終わりまで見届けることなく、オウム取材を離れた。

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