2018.7.10 10:00

学生から社会人へ、寄り添ったサインペン

学生から社会人へ、寄り添ったサインペン

特集:
女子社員コラム 言わせて系

 【女子社員コラム 言わせて系】珍しい色のかばん、イニシャルが入ったハンカチ、奇抜な柄のスマートフォンケース、球団名が書かれたIDカードホルダーのストラップ…。ものには持ち主の好みや生活が反映されている。

 私の場合たいしたこだわりはないが、ずっと愛用しているものがある。文具メーカー「ぺんてる」の赤いサインペンだ。キャップも本体も真っ赤。コンビニエンスストアでも1本100円程度で売っている、見た目も使い心地もシンプルなペンだ。

 この赤ペンとは大学1年時に出会った。アルバイト先の塾で採点する際に使われていたのだ。赤いボールペンでも丸つけはできる。だが、立ったまま生徒のノートに採点するとき、力を入れなくてもはっきり書けるサインペンは便利だった。

 アルバイトをやめた後も私はこのサインペンを使い続けた。入社後は紙面のレイアウトをする整理部に配属された。整理部では原稿がくると、見出しや写真を調整し、ゲラと呼ばれる試し刷りを配り、間違いがないか確認する。そして修正した個所にペンで印をつけてコピーし、2回目のゲラをまく。

 文字と重なっても読めなくなることがないちょうどよい濃さ、一目で印が分かる太さ。他のものに“浮気”したこともあったが、結局これに戻ってきてしまった。一年間で何本も書きつぶした。

 最後に買い替えたのは5月。本来ならそろそろ書き心地が変わってくるころだが、今でもペン先は固いまま。運動部に異動になったからだ。運動部では、さまざまなスポーツの現場に行って出稿する。

 取材のメモは黒のボールペンとボイスレコーダーで、記事はノートパソコンで書く。今でも資料に赤ペンで印をつけることがあるが、だいぶ使用頻度は減ってしまった。

 仕事の必需品だった赤いサインペン。これからはうっかり芯を触り、手が赤くなることも少なくなるのかと思うと、ちょっと寂しい。(川並温美)

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