2018.4.12 12:00

宝塚の女性演出家が手掛ける衝撃のショー作品/週末エンタメ

宝塚の女性演出家が手掛ける衝撃のショー作品/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム
宝塚月組公演「BADDY-悪党(ヤツ)は月からやって来る-」に出演する左から珠城りょう、愛希れいか(C)宝塚歌劇団

宝塚月組公演「BADDY-悪党(ヤツ)は月からやって来る-」に出演する左から珠城りょう、愛希れいか(C)宝塚歌劇団【拡大】

 東京宝塚劇場で上演中の月組公演「BADDY-悪党(ヤツ)は月からやって来る-」がぶっ飛んでいる。雪組公演「星逢一夜」(2015年)などで知られる女性演出家、上田久美子氏が手掛ける初のショー作品だ。

 舞台は、TAKARAZUKA-CITYを首都とするピースフルプラネット“地球”。飲酒や喫煙が禁じられ、戦争や犯罪がない“地球”に月から宇宙一の大悪党・バッディがやってくる。

 主人公のバッディ役はトップスター、珠城(たまき)りょう、“地球”の秩序を守る敏腕女捜査官・グッディ役は娘役トップ、愛希(まなき)れいか。珠城はサングラス姿でタバコを吹かせて登場し、誠実でおおらかなスターイメージを打ち破るワルになりきった。

 宝塚のスローガンは「清く、正しく、美しく」だが、それに似つかわしくないワードも飛び交う。バッディはグッディの右腕捜査官・ポッキー(月城かなと)を人質に取るが、食い逃げ、銀行強盗、偽装パスポート作成など悪さを教える。

 宝塚の定番シーンも大胆アレンジされた。ラインダンスは笑顔で踊るさわやかさの象徴だが、グッディ役の愛希らが中心となり、悪さをするバッディへの怒りを表現した振りつけ。トップコンビが慈しみ合うデュエットダンスは、爆破されて燃え落ちる寸前のバッディのアジトの場面になり、バッディとグッディの一騎打ち。フィナーレは、珠城が王道の白い衣装に大きな羽を背負っていたが、神聖な大階段でサングラス姿でタバコを吹かす。

 宝塚のショーをひと通り見尽くし、王道スタイルを知っている上で見ると斬新。賛否は分かれるだろうが、想像を超える角度から宝塚の絶対的様式美が壊された意欲作だ。

 トップコンビのほかは、“地球”のオブジェを頭に乗せた女王役で美声を響かせた月組組長の憧花(とうか)ゆりの、宇宙人をコミカルに演じた輝月(きづき)ゆうまに目がくぎ付け。客席からは笑いも起こり、驚きが絶えない1時間だった。ミュージカル「カンパニー-努力、情熱、そして仲間たち-」との2本立てで、5月6日まで上演。(小山 理絵)

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