2018.2.25 10:00

「独眼竜政宗」が大河歴代最高視聴率をマークしたワケ 「西郷どん」と共通点も/芸能ショナイ業務話

「独眼竜政宗」が大河歴代最高視聴率をマークしたワケ 「西郷どん」と共通点も/芸能ショナイ業務話

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「独眼竜政宗」のチーフ・プロデューサーを務めた中村克史氏。戦国武将に劣らぬ!?精悍な顔で放送当時を振り返った=東京・渋谷区

「独眼竜政宗」のチーフ・プロデューサーを務めた中村克史氏。戦国武将に劣らぬ!?精悍な顔で放送当時を振り返った=東京・渋谷区【拡大】

 25日付サンケイスポ(東京版)で始まった連載「大河のころ」。歴代のNHK大河ドラマの主演俳優らが当時の秘話を語るが、第1回の「独眼竜政宗」(1987年放送)のチーフ・プロデューサー、中村克史氏にも話を聞いた。74歳の中村氏は日焼けしたたくましく知的な顔が印象的。それこそ、気骨と教養にあふれた政宗に通じるものを感じた。

 「-政宗」の原作は作家・山岡荘八の「伊達政宗」で、脚本はジェームス三木氏(82)。伊達家をめぐる愛憎劇や戦国武将の駆け引きなど、生き生きとしたセリフと出演者たちの迫力と存在感はいま見ても、大河史上最高の平均視聴率39・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しただけあると感心する。

 その要因は主演の渡辺謙ら出演者の魅力をはじめ多々あるが、あふれ出るリアリティーも背景に感じる。その点について、中村氏は記者の取材に「実は映画『ゴッドファーザー』(1972年公開など)をスタッフ一同で研究し、参考にしたんです」と打ち明けた。

 この映画はイタリア系マフィアの抗争を描く物語だが、ファミリーを守ろうとする男たちと家族の愛憎劇でもある。「それがそのまま、弟を殺さざるをえなかった政宗ら伊達家の骨肉の争いに一脈通じるものがあったんです」という。

 さらに、政宗の側近だった武将・伊達成実(しげざね)の実存する「成実記」も“強力な援軍”になった。政宗の行状を克明に記した内容で、それを制作スタッフの一人が現代語に訳したという。ジェームス三木氏はそれも原作本とともに参考にしたため、物語に厚みが出た。その結果、脚本と演出と俳優・女優陣が三位一体となり、広く視聴者に受け入れられる基盤になったようだ。

 また、放送の冒頭で毎回、その回のあらすじをアナウンサーが説明しただけではない。登場人物の年齢を現存する人気プロ野球選手にたとえるなど、視聴者にとって身近な存在にする工夫も。中村氏は「NHKが要請したわけでもないのに、謙君をはじめ主要キャストは大河だけに打ち込んで、他のドラマやCMにも出ない人がほとんどだった。大河だけでしか見られないお得感もあったのでは」と振り返った。

 幼少から右目を失明しつつも天下を目指した政宗。現在放送中の大河「西郷どん」も、主人公・西郷隆盛は少年時代に負った刀傷で右手が思うように使えないハンデを持つ。政宗との共通点は民衆に対する深い慈悲に加え、「西郷どん」も身近な人々との愛憎劇が色濃く反映する展開となる。

 「西郷どん」は現在、最近のテレビドラマでは高視聴率といえる15%前後と健闘。果たして「-政宗」に少しでも近づけるかどうか。視聴率も注目だ。(M)

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