2017.12.21 12:00

39年ぶりの上演、国立劇場12月歌舞伎公演「通し狂言『隅田春妓女容性』」/週末エンタメ

39年ぶりの上演、国立劇場12月歌舞伎公演「通し狂言『隅田春妓女容性』」/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム

 今年度の文化功労者に選ばれた歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門(73)が出演する国立劇場12月公演(東京・千代田区隼町)がにぎわっている。

 華やかな長唄舞踊「今様三番三(いまようさんばそう)」と通し狂言「隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)-御存梅の由兵衛-(ごぞんじうめのよしべえ)」が26日まで、上演されている。

 39年ぶりの上演となる「隅田-」は、吉右衛門の養父、初代吉右衛門から実父、初代松本白鸚に引き継がれた作品をもとに、新たに加筆。

 義理と人情に厚く、忠義を貫き通す由兵衛をさっそうと演じ、ときには悲哀を漂わせる吉右衛門の一挙手一投足に観客は吸い込まれるように身を乗り出した。

 由兵衛の妻、小梅役と小梅の弟、長吉の二役を務める義理の息子、尾上菊之助(40)ら共演者との呼吸も抜群。

 序幕「柳島橋本入口塀外の場」では、さりげなく“時事ネタ”を盛り込み、二幕目「本所大川端の場」では、長吉と客席を“練り歩く”場面も。舞台から降りてきた吉右衛門と菊之助の重い空気が一瞬、驚きの空気に変わる演出は、後に起こる凄惨(せいさん)な場面をより際立たせる。

 約1500席は、ほぼ満員。終演後のロビーは、「物語がわかりやすかった」、「セリフが聞き取りやすかった」、「おもしろかった」などの声があちこちから聞こえた。

 マイクを付けず地声でセリフを繰り出し、花道を駆け足で引き揚げる73歳、吉右衛門。初舞台から70年の節目を迎える2018年も伝統芸能、歌舞伎の魅力を教えてくれそうだ。(栗原智恵子)

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