2017.11.8 12:00

家族について改めて考えさせられる映画「キセキの葉書」/週末エンタメ

家族について改めて考えさせられる映画「キセキの葉書」/週末エンタメ

特集:
週末エンタメ芸能記者コラム

 家族を想う強い気持ちが、時には大きな奇跡を起こす。公開中の映画「キセキの葉書」は見終わった後、そんなことを考え、温かい気持ちになれる作品だ。

 主演の鈴木紗理奈が7月のスペイン・マドリード国際映画祭で「最優秀外国映画主演女優賞」を受賞したことでも話題になった同作は、実話をもとにした感動作。阪神・淡路大震災から半年後の兵庫・西宮市を舞台に、重度の脳性まひの娘と、鬱(うつ)病と認知症を併発した母親に挟まれながらも、強く、たくましく生き抜く主人公の姿が描かれる。

 タレントとしてのイメージが強い紗理奈は、苦境に負けず、明るく生きようとする主人公を見事に体現。メガホンを執ったジャッキー・ウー監督は「彼女は勘が鋭い」と絶賛しているが、作品を見れば、映画祭で賞を取ったこともうなずける。

 撮影は昨年、関西を中心に行われた。私生活で7歳の長男と東京都内で暮らす紗理奈は撮影中、実母に育児を手伝ってもらいつつも「子育てで後悔したくない」とほぼ毎日、子供の寝顔を見るためだけに最終電車で帰京していたとか。自身の家族に対する愛が役柄に重なったことも好演の一因だったのかもしれない。

 映画はほかにも、母親役の赤座美代子をはじめ、芸達者がバランスよく配置されている。そんな中、紗理奈にひけをとらない名演技を見せていたのが、脳性まひの娘を演じた子役だ。

 気になって名前を調べてみると、八日市屋天満(やおちや・てんま)という子で、過去に2014年のNHK「ボーダーライン」(主演・小池徹平)などに出演。今回が映画デビュー作だったようだが、この作品で注目されることだろう。

 同作の主人公は、闘病する母親に少しでも元気になってもらおうと13年間で5000通ものハガキを送り続ける。そして、このことが、ある“キセキ”を起こすことになる。

 手軽なメールをつい使ってしまいがちな世の中だが、人が心を込めて書いた手紙は、やはりその人の思いが直接届くものだ。映画を見て、普段の感謝を伝えられていない人に手紙を書きたくなった。 (古田貴士)

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