【ビッくらぼんの365日・芸人日記(49)】
ルックスと、すっとぼけた話しぶりとのギャップが面白いピン芸人、キクチウソツカナイ。=東京・渋谷【拡大】
--珍しい名前だね
「漫才コンビからはじめて、トリオを組んで18年間、『ポテト少年団』という名前でやっていたのですが、まったくブレークしなくて昨年9月に解散。ピンでやっていくにあたって昨年暮れ、後輩のとにかく明るい安村につけてもらったんです」
--その経緯は
「安村と、もう1人の芸人を加えた3人で仕事終わりでご飯を食べているとき、僕が『名前を思いつかない』と相談したんです。本名は菊地智義だから、堅いしね」
--確かに
「困った揚げ句、僕が『名前は何にするにせよ、もう誰にも気兼ねせず、自分にウソをつかないでやっていきたい』と言ったんですね。安村が『だったら、いっそキクチウソツカナイでどう?』と言ってくれたんです。文章みたいだから、最後に『。』もつけようとなって、今年から名乗っています」
--そういえば、安村さんも不倫騒動でウソをつかなかった
「あそこはウソをついても良かったんじゃないかなあ。本人も結構、落ち込んだし、ちょっとかわいそうな気もする」 --名前を変えて、良かったことは
「テレビには数えるほどしか出ていませんけど、ピンのイベント司会はずっとやってきたんですね。ツッコミ担当として、お客さんの生の反応や空気を読むことには自信がある。で、名前を変えたことで出演者が『本当はウソつくんでしょう?』とか、いじってくれるようになった。僕としてはウソをついても、つかなくてもボケることができるので、司会者としての芸域が広がった気がしますね」