クラシックシーズンを前に競馬界に衝撃が走った。昨年の皐月賞&ダービーの2冠を制したドゥラメンテが復帰戦の中山記念を勝った日に、元祖怪物と呼ばれた競走馬タケシバオーを生んだ牧場で、謎の“射殺事件”が起きた。
静内署によると、28日午前6時半ごろ、競優牧場の従業員が敷地内の住宅から出勤する際、放牧場に馬が2頭倒れているのを発見し、牧場主が同署に通報した。
1頭は厩舎から東に約100メートル、もう1頭はそこから北に約200メートル離れて、いずれも体の左側を上にして倒れていた。1頭は左脇腹あたりに射入口とみられる跡が1つあった。もう1頭は左目周辺に大きな傷があった。弾痕と思われるものの、死後に小動物が食べた跡もあった。
馬の死体近くには空薬莢3個が落ちていた。4個だったという情報もあるが、いずれも狩猟用ライフル銃のもので、暗い中で至近距離から撃った可能性が高い。
2頭とも1歳の牡馬で、血統などは不明。同牧場の1歳馬9頭中、牡は5頭。中には名種牡馬として活躍するディープインパクトの全兄、ブラックタイドの産駒もいる。北島三郎が所有する昨年の菊花賞馬キタサンブラックと同じ父だ。ほかはローレルゲレイロ産駒が3頭、ショウナンカンプ産駒が1頭いる。
同牧場では放牧は夜間も行われており、前夜の27日午後9時ごろ、敷地内に住む従業員が銃声のような音を聞いた。発射音の数についての記憶はあいまいで、不審者などの異変はなかった。近隣で最近被害を受けたサラブレッドの報告などもない。