2014.10.12 18:00

【江藤詩文の世界鉄道旅】中国・大連 路面電車(1)日本統治時代の面影を残す…車内は意外とハイテク化

201路を走る旧型車両。車齢は70年以上といわれているとか

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 10月14日は鉄道の日。明治5年、新橋-横浜間に鉄道が開通したことから、日本の鉄道史ははじまったという。それから時代が下がった明治40年代、日本統治時代に敷設されたのが中国・大連の路面電車だ。大陸本土でいまも路面電車が走っているのは、ここ大連と長春の2か所だけだそう。

 路線は、日本の上野駅に似ているともいわれる「大連駅」を中心に、市街を東西に結ぶ201路と、大連のランドマーク「星海公園」を通って海岸沿いに南下する202路の2路線。朝6時台から夜11時ごろまで、5~10分間隔で運行していて使いやすい。

 路面電車は、ロシアや日本のおもかげを残すノスタルジックな街並みをのんびり進む。ほとんどが新型車両だが、ごくたまに旧型車に巡り合うこともある。当時の車体が、いまも現役で走行しているのだ。

 郷愁を感じながら、列をつくらない賑やかなローカルの人々に混じって車内に乗り込むと、いきなり「Suica」や「PASMO」のような非接触型ICカードの提示を求められた。コインでも支払えるけれど、これを持っていると、乗車料金が割り引きされるそうだ。行き先が示されているのは、LEDの電光掲示板。近代的で非常にわかりやすい

 英語を話す人口が飛躍的に増えているといわれ、空港ではほぼ英語で事足りた大連だけれど、路面電車の車掌には、ほとんど英語が通じない。無愛想でめんどくさそうな顔をしながらも、めんどう見がいいのはアジアらしいやさしさで、アジアを旅しているときならではの安心感と親近感を覚えた。

 そうそう、前文で「列をつくらない」と書いたけれど、それは乗降客が比較的少ない途中駅でのこと。起終着点となる「興工街」駅では、ちゃんと何本かの行列ができていた。列は乱れてわかりにくいし、横入りする人、もめている人も多いけれど、その活気あふれる様もまた、旅の思い出の一場面だ。

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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  • 次の駅名を表示したLED電光掲示板。漢字文化のありがたさで、日本人にはわかりやすい
  • 乗車料金は1元(約18元)。電子マネーを利用すると0.95元になるそう
  • 混雑した車内でもテレビ。中国人はテレビが大好きで、レストランやカラオケボックスにもテレビが設置されているとか