2014.1.9 05:04

【たかじんさん悼む】酒の自販機前で宴…懐かしい“ヤンチャなエロ香”

 もう20年も前…。「紹介しますわ」。大阪・北新地のラウンジ。店のオーナーの言葉に誘われるままVIPルームに足を踏み入れるとたかじんさんがいた。当時、大阪勤務で『たかじんnoばあ~』という番組がお気に入り。歯に衣を着せぬ過激なトークのとりこになっていた時期である。

 その後、店で何度か同席したが、ある夜「一緒に行こかっ」と思わぬ誘いで、夜が明けるまで飲んだ記憶がある。もはや開いている店はない。ビルのエレベーターを降りたその時、「ここや」。北新地の目抜き通り、酒の自販機前のスペースに陣取って再び宴。もちろん大好きなワインは最後の店で調達していた。

 7、8人はいただろうか。いろんな職業の人が混じり、中には駆け出しの有名ジョッキーも。オンエアならばピーが入る話が続いたが、あらゆるジャンルに精通し、鋭い切り込みをするエネルギーに驚かされた。通勤客もチラホラいたがお構いなし。豪快だった。

 「やっぱ好きやねん」「ICHIZU」をよく歌った。ある日、「たかじんさんの歌を歌うとホステスにモテるんです」と話すと「俺の歌は甘いポエムや」と。たかじんさんが歌唱する大阪色バラードには色香が漂う。お酒の上でのトラブルもあったと聞くが、あの“ヤンチャなエロ香”がいま、何とも懐かしい。

 古い話だが、いまでも強烈な映像として脳裏に残っている。合掌…。(産経新聞特別記者・清水満=1993~94年大阪勤務)

(紙面から)