2013.12.1 05:00(1/2ページ)

療養中の猿翁、顔見世興行で口上 福山雅治デザインの祝幕とともに

5カ月ぶりに公の場に帰ってきた市川猿翁(中右)とともに口上を行う(右から)坂田藤十郎、市川猿之助、市川中車=京都市東山区(提供写真)

5カ月ぶりに公の場に帰ってきた市川猿翁(中右)とともに口上を行う(右から)坂田藤十郎、市川猿之助、市川中車=京都市東山区(提供写真)【拡大】

 東西の歌舞伎役者が集う年の瀬の古都の風物詩「吉例顔見世興行」が30日、京都・南座で開幕した。今年は昨年6月から各地で行われてきた二代目市川猿翁(73)、四代目市川猿之助(38)、九代目市川中車(47)の襲名披露最終興行を兼ねる。昼の部で猿之助が澤瀉(おもだか)屋十八番の宙乗りを披露すれば、夜の部の口上には6月27日以来約5カ月ぶりに猿翁が元気な姿を見せ、場内は万雷の拍手に包まれた。

 襲名披露興行の最後を飾る顔見世。人間国宝と澤瀉屋の“総帥”が口上で「隅から隅まで、ずい~っと」と声を合わせると、場内の熱気が外の寒さを吹き飛ばした。

 猿之助が「高校時代から大ファンだった」という歌手で俳優の福山雅治(44)にデザインを依頼した祝幕が引かれて始まった夜の口上。坂田藤十郎(81)、猿之助、中車が姿を見せると客席は「おぉーっ!」とどよめいた。

 猿之助、中車が精進を誓った口上を受け、「それでは猿翁さん」と藤十郎。「待ってました!」のかけ声が上がった。

 背後のふすまが開くと紋付き袴姿で椅子にすわった猿翁が、黒子に支えられて舞台中央へ。

 「澤瀉屋!!」。鳴り止まない万雷の拍手に、広げた両手を肩口まで挙げて応えた。

 「京都まで上ることができました。ごあいさつがかない、誠にうれしく思います」という口上は猿之助の代読。しかし、その間も右手、左手と挙げた両手を祈るように合わせると、藤十郎も思わず拍手を送った。

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