これじゃ猟師は増えっこない!? 1万6500円の行方…

50歳オッサン記者 新人猟師日記(14)
狩猟者登録を申請。解禁まであと2カ月となった

 有害駆除を除けば猟師は夏にすることがない。いや、射撃場で練習はできるので、この夏の暑さで怠けていただけか…。

 所属する地元猟友会から「狩猟者登録を行います」という、はがきが届いた。9月某日、昨年と同じく千葉県の狩猟者登録を申請。あとは11月15日の狩猟解禁日を待つばかりだ。

 ライフルや散弾銃など火薬を使った銃は「第1種銃猟」と分類され、1県につき1万6500円の「狩猟税」がかかる。手数料が1800円、これに大日本猟友会、東京都猟友会、地元猟友会の会費が合わせてもろもろ1万円、さらにハンター保険が加わり総額は約4万円に上る。ちなみに、空気銃なら狩猟税は5500円、罠・網猟はそれぞれ8200円。他県に申請を出せばその分、負担は増える。

 狩猟税は目的税で「鳥獣の保護」に充てられることになっている。申請すると「狩猟登録証」「狩猟者記章」「ハンターマップ」の3点セットが配布されるが、ハンターの手元にくるのはこれだけ。どう見積もっても原価は1000円もしないから、残りが環境や鳥獣の保護に充てられるのは結構なことなのだが、その使途の明細は明らかにされていない。

 ある銃砲店の店主は「高いのは確か。具体的に何に使ったのか分かれば、まだ納得のしようもあるのに」と話す。しかも全都道府県の税額は一律。「狩猟できる場所が何倍もある北海道と、限られた場所しかない東京都が同額というのもおかしい」と疑問を呈する。

 農林水産省のデータによると、野生鳥獣による農業被害は毎年200億円。これに対し、高齢化により狩猟免許の所持者は1975年の51万7754人をピークに、2015年には19万100人にまで減った(環境省)。一時期、狩猟税の減免もしくは撤廃も検討されたが、「財源確保ができない」として見送られている。

 先日の申請時に「ことしから猟を始めます」という女性を見かけた。近年は女性ハンターが微増しているといわれるが、全体の減少傾向は変わらない。

 所持許可を取って銃を買い、ロッカーなど規定の装備をそろえ、狩猟免許を取得するまでに数十万円。そこからさらに4万円を払うのは、新たにハンターになろうという若い人にはかなりハードルが高い入り口だ。

 有害鳥獣を駆除して森林環境の保護や、農業被害を防ぎたいとアピールしても、これではハンター人口が増えるはずもない。考慮すべき政治的課題だと思うのだが…。サラリーマン猟師にも4万円はやっぱり…痛い。(不定期掲載)

Read more