’18上半期「複合ランキング」をサンスポ独自算出!

科学特捜隊
「科学特捜隊」による2018年上半期複合ランキング

 ヒットチャートに革命が起きる-。音楽市場調査会社、オリコンが今秋から、従来のCDセールスと新たに音楽配信サービスのダウンロード数を加味する「オリコン週間複合ランキング」を新設する。ネットを通じて音楽を購入するユーザーが増え、CDの販売実績だけではヒット曲をとらえきれないためで、同社は新ランキングの算出方法を現在検討中だ。それに先立ち、サンケイスポーツ東京発刊55周年企画「科学特捜隊」では、最新の市場動向を基に独自の今年上半期「複合ランキング」を算出してみた。(取材構成・山内倫貴)

 ヒット曲の可視化を目的として、1968年に日本初のレコードセールスランキングを発表して半世紀になるオリコン。CDショップや家電量販店など1万8805店舗のCD販売実績やイベント会場での売り上げ調査を基に、シングルやアルバムなどのランキングを算出している。

 ただ、近年はスマホなどで楽しめる音楽配信サービスが充実する。日本レコード協会によると、昨年のCDやレコード、カセットテープなどパッケージ商品の総生産数(映像ソフトは除く)は約1億5437万枚。一方の配信は約1億4570万ダウンロード(DL)とほぼ同数だ。

 オリコンではCDだけでヒット曲を決めるのは難しいと判断し、CD売り上げ枚数にDL数を加味した「オリコン週間複合ランキング」の新設に着手した。

 「複合シングルランキング」では、1枚の価格が1200~1600円で4曲前後収録されるCDシングルと、1曲200~250円の配信シングルを合算する必要がある。同社は「1曲に対する価格が違うため、枚数とDL数の単純な足し算では正確なランキングにならない」と指摘する。

 10月8日付チャートからの実施に向け、同社は「算出方法については、さまざまな要素を考えながら検討中」としているが、「ヒットは売り上げの積算」との立場から売上額も重視。従来の枚数をベースにDL数の価値をどう加えるかがポイントで、「音楽の市場動向を見ながら合理的に精査したい」と強調する。

 そこで「科学特捜隊」では、「上半期シングルランキング」と「上半期デジタルシングル(単曲)ランキング」を参考に独自の「複合シングルランキング」を算出。多くの音楽業界関係者が「『複合-』はCDと配信の売上額の比率で換算するのでは」と推測しており、まずは昨年の売上額を比較した。

 CDなどパッケージの総売上額(映像ソフトは除く)は約1739億円、配信は約573億円(日本レコード協会発表)。パッケージの生産数とDL数はほぼ同じだが、配信の売上額は約3分の1のため、配信シングルの3DLがCDシングルの1枚に相当すると見立てた。

 「デジタル-」の1位は113・7万DLの「Lemon」(米津玄師、27)で、CD換算すると37・9万枚。同曲は「シングル-」でも30・3万枚で12位に入っており、合算すると68・2万枚で「複合-」で5位になる。

 「シングル-」の1位だった「Teacher Teacher」(AKB48)は「デジタル-」で50位以内に入っていなかったが、174万枚のCD売り上げがものをいい、「複合-」でも1位だった。

 オリコンの担当者は、今後の音楽業界について「CDはジャケット写真などの付加価値が高く、当面DLとの共存が続くのでは」と分析。新設する「複合-」については「時代を反映した音楽の多様性を表現できると思う」と自信をみせている。

表の解説

 「科学特捜隊」が算出した今年上半期CD・配信シングル複合ランキングでは、米津玄師の関連楽曲が100位以内に5曲ランクインした。
 5位の「Lemon」はオリコン上半期で113.7万DLのミリオンヒットを達成。今年1月期のTBS系「アンナチュラル」の主題歌に起用され、2月の配信先行リリースでブレーク。3月にCDが発売され、ミュージックビデオの再生回数も1億回を突破した。
 その勢いで、2016年9月配信の「LOSER」(53位)などが次々とランクイン。DLは過去の作品が手軽に購入しやすいのも特徴だ。
 Mr.Childrenの「here comes my love」(36位)は配信限定曲。宇多田ヒカル(35)の「あなた」(38位)と「初恋」(95位)は新アルバム「初恋」の収録曲。シングルCD発売はしていないが、配信ではバラ売りされているためで、「複合-」では多種多様な楽曲がランクインする結果となった。

デジタルランキング

 オリコンでは音楽配信サービスをチャート化するため、2016年11月から「週間デジタルアルバムランキング」、昨年12月から「週間デジタルシングル(単曲)ランキング」を発表。iTunes Storeなど大手6社のDL数を精査して順位付けしている。
 日本レコード協会によると、昨年の音楽ソフト(ビデオも含む)の売り上げは2320億円で、前年比94%と下がっている。音楽配信は573億円だが、前年比108%と好調だ。
 背景には配信各社が普及を進めるサブスクリプション型サービスの影響があるという。単曲やアルバムごとの購入ではなく、定額制による聴き放題サービスで、担当者は「今後はサブスクリプションのランキングも検討したい」とした。

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