MCを解禁した安室奈美恵にファンへの感謝の気持ちを見た/週末エンタメ

 

 9月16日に引退する安室奈美恵が、今月3日の東京ドームでラストツアーのファイナル公演を迎えた。全国のファンに25年間の感謝を伝えるため5大ドーム17公演、中国、香港、台湾で6公演の23公演を走り抜け、計80万人に別れを告げた。

 「きょうはコンサートに来てくださってありがとうございました。9月16日以降、私がこうしてステージに立つことはありません。だからこそ、この25年間が私の中で、とてもとても大切な思い出になりました」

 アンコールで安室は目を潤ませ声を震わせた。彼女がステージ上で話したのを聞いたのは何年ぶりだったか。私が記憶するに十数年はなかった。コンサートでMCをしてこなかったのは、しゃべるのが苦手なのに加え、1曲でも多く楽曲を披露して完璧なパフォーマンスを見せることがファンへのサービスという哲学があったからだろう。

 それを覆し、ファンへの感謝を伝えるためトークを解禁して臨んだラストツアー。2016年のリオ五輪NHKテーマソングにもなった「HERO」で幕を開けた。

 前半は01年以降の楽曲で占められたが、中盤の「SWEET 19 BLUES」(1996年)からは懐かしい曲のオンパレード。彼女をブレークさせたユーロビートの「TRY ME~私を信じて~」(96年)、「太陽のSEASON」(同)と続く。

 さらに「Don,t wanna cry」(同)、「NEVER END」(2000年)など小室哲哉プロデュース曲を畳みかけ、200万枚を突破した大ヒット曲「CAN YOU CELEBRATE?」(97年)で盛り上がりは最高潮に達した。

 圧巻は「Body Feels EXIT」(95年)。小室が初めて安室をプロデュースした楽曲だ。16日に最終回を迎えた日本テレビ系「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」の主題歌に起用されるなど23年の時を経ても全く色あせない同曲を、ダンスの切れ、圧倒的な歌唱力ともに、当時の彼女と遜色なく歌い踊った。

 終盤は昨年発表した楽曲を披露し、あっという間に3時間を駆け抜けた。16人のダンサー一人一人と抱き合い、「最後は笑顔で。みんな元気でね。バイバイ!」。

 9月16日の引退日まで3カ月。本当の最後のステージがあることを期待しながらも、安室のステージをしっかり目に焼き付けた。(山下伸基)

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