すてきな一軒家、かわいいドレス、カラフルなお菓子…小さなころに夢見たすべてがつまった北欧映画「オンネリとアンネリのおうち」/週末エンタメ

 
「オンネリとアンネリのおうち」(C)Zodiak Finland Oy 2014. All rights reserved .

 「ロッタちゃん はじめてのおつかい」(1993年、スウェーデン)、「やかまし村の春・夏・秋・冬」(96年、同)など北欧の児童文学を実写化した名作に続く待望の“ニューフェース”が日本に上陸した。

 2014年にフィンランドで公開された「オンネリとアンネリのおうち」が9日に日本で封切られた。同国で有名なマリヤッタ・クレンニエミの児童文学が原作で、ちょっとおませな2人の女の子、オンネリとアンネリが日常に起きるドキドキ、ワクワクな事件を楽しむ物語だ。

 ある日、2人は“正直者にあげます”と記された大金入りの封筒を拾い、バラの木夫人という魔法が使えるおばあさんからすてきなおうちを購入。中に入ると、おそろいのキュートなドレスがクローゼットに並び、テーブルの上にはきれいなお菓子がいっぱい…という夢の世界を手に入れる。

 9人兄弟の真ん中のオンネリは両親にときどき“存在”を忘れられ、アンネリは離婚したパパとママの家を行き来しており、2人はほのかなさびしさを吹き飛ばすように“独立宣言”。変わり者の隣人たちを巻き込んでキラキラした夏の日々を楽しんでいく。

 鮮やかなスカイブルーの一軒家や食器、テーブル、ベッドなど世界的人気を誇る北欧のインテリアは、子供だけでなく、大人のワクワクも触発する。

 黒髪のオンネリと金髪のアンネリがパステルカラーや原色の色違いのおそろいドレスを着たり、キュートなシャワーキャップをかぶって、それぞれ1人用の泡風呂につかっておしゃべりする姿は、“子供のころ、すべての女の子が憧れ続けた”願望をパーフェクトにかなえてくれる感じだ。

 双子のような2人が目を丸くしてカラフルなスイーツを頬張るシーンは、自分が幼稚園のころに「サーティワンアイスクリーム」でエメラルドグリーン色のチョコミントを初めて見たときの感動を呼び起こしてくれた。

 オンネリとアンネリがささやかな“秘密”を共有して上目遣いで笑い合う姿も、たとえば砂場で大きな山を作り、お互い反対方向からせっせと掘り続けて、やっと手をつないだときの喜びをよみがえらせる…。

 少女たちの絆やかわいいらしい行動はもちろん、北欧の夏ならではの景色も“夢の世界”をつむぎ出す。木々の緑を輝かせるこもれび、草をはむ牧場のポニー。2人がたてがみを編んで、リボンなどで馬を飾りたてるシーンは、“ここに行って、これをやってみたい”と大人の旅心までもくすぐる。

 撮影当時、7歳だったオンネリとアンネリを演じた子役は、シリーズ第3弾まで主役を務め、北欧で大人気になった。現在、彼女たちは14歳に成長。第4弾は新しい女の子コンビのキャストで製作されるという。

 初代オンネリとアンネリがシリーズを卒業するように、すべての少女はいつか大人になるが、幼い頃ため息が出るほど憧れ続けた夢や興奮は、色あせない映画の中で脈々と受け継がれていく。(大塚 美奈)

Read more