小田和正の楽曲が万人に浸透している理由/週末エンタメ

 

 1970年にオフコースとしてデビューし、47年間にわたって第一線で活躍してきたシンガー・ソングライター、小田和正。昨年9月に古希を迎えて初の全国ツアー「ENCORE!!」(21カ所48公演)を精力的に行っている。

 10月まで続く同ツアーは、全ての会場がアリーナで、70歳以上の日本人歌手では史上最大規模となる。

 音楽にストイックに取り組む姿勢は年を重ねても変わらない。前回ツアーを上回る規模に、スタッフは公演数を減らすことも提案したが、「行けるときにいっておかないと、もう行けない」と、曲数を減らすことや花道の幅を太くすることも拒否。腹筋やジムでのランニングは欠かさず、1カ月間のリハーサルでは体重を5、6キロ絞った。本番では花道を何度も駆け回り、時にはアリーナに降り立ってハイトーンボイスを響かせた。

 名曲をコンスタントに世に送り出している彼のファン層は幅広い。2003年には男性デュオ、ゆずとのコラボユニット、ゆずおだとしてオリジナル曲「クリスマスの約束」を披露したり、06年にはKAT-TUNの楽曲「僕らの街で」を作詞作曲。08年にはスキマスイッチの大橋卓弥が名曲「たしかなこと」をカバー。4月からはフジテレビ系「めざましテレビ」の放送25周年記念テーマ曲として新曲「会いに行く」が流れるなど、さまざまな形で“小田和正”が浸透している。

 そこには小田の持つある覚悟が大きく起因する。今ツアーのタイトルには「毎日がアンコール。アンコールしたいと思える毎日を過ごしたい」との思いを込めた。毎日“これで最後”という気持ちで全身全霊で音楽にストイックに向き合う小田の姿勢は、ライブを鑑賞した人はもちろん、楽曲を聴いた人にも伝わってくる。

 初日の熊本公演では「もう70歳になって、(前回ツアーの)68歳とは違う。うかつに次の約束はできませんが、とにかくみんな元気で頑張りましょう」とユーモラスに語り、自らを鼓舞した。70歳を迎えてもなお、精力的に活動する“超人”のステージは一見の価値あり。きっと勇気や元気をもらえるはずだ。(納村悦子)

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