藤井六段の恩返し!公式戦初対決で師匠に勝利「本当にうれしい」/将棋

 
対局後、師匠の杉本七段(左)と感想戦に臨む藤井六段。師弟対決の緊張感がほぐれ、笑みがこぼれた (撮影・恵守乾)

 将棋の最年少プロ、中学3年の藤井聡太六段(15)が8日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された第68期王将戦1次予選2回戦で、師匠の杉本昌隆七段(49)との公式戦初となる師弟対決を制した。午後に同一局面が4回現れ千日手が成立し、指し直し局を111手で勝利。将棋界では師匠に弟子が勝つことを「恩返し」といい、師匠に成長した姿を見せた。

 無数のシャッター音が対局の注目度を物語る。藤井六段が師匠を負かす「恩返し」を果たした。

 「公式戦で対局できるのは楽しみにしていました。いい経験になったかなと思います」

 午前10時。緊張感の中、対局は杉本七段の先手でスタート。昼食休憩では「親子丼&冷うどん」(830円)を勝負飯にチョイスした。午後1時18分。同じ手順が繰り返されて同一局面が4回現れ59手目で千日手が成立。30分後に先後を入れ替え藤井六段の先手で再開。指し直し局111手で勝利を収めた。

 藤井六段は小学4年で杉本七段に入門。だが、その後の師弟の対局は、練習で行う10秒将棋を含めても100局に満たなかった。

 藤井六段は桂馬や飛車角などの持ち駒を予測しづらい場所に指すタイプ。杉本七段が受け将棋である自身の色がつかないよう対局を回避、他の棋士との練習対局を組み経験を積ませた。細心の指導のおかげで弟子はプロの道を駆け上がった。

 4月から高校に進学するが、それを決めたのも師匠の教えから。藤井六段には中学卒業後にプロとして専念する選択肢があった。だが、杉本七段自身も高校進学をやめて将棋の道を進んだ経験があり「進学するなら学生時代にいい友人を得てほしい。将棋と関係のない人生の経験が、将棋に深みを与える」という師匠の思いを受けた。

 「師匠には奨励会時代からたくさん教えていただいて、こうして公式戦という舞台で対局することができて、本当にうれしく思います」

 これで14連勝。今後の目標は師匠の悲願でもある東海地区へタイトルをもたらし、さらなる「恩返し」を果たすことだ。

千日手

 「千日たっても勝負がつかない」が語源。将棋や囲碁などで、差し手の双方が他の手を選ぶと不利に陥るために同じ手を繰り返すしかなくなることをいう。日本将棋連盟の規定では、同一局面が4回現れた時点で無勝負となる。プロの対局では30分の休憩を挟み、先手と後手を入れ替え即日指し直しとなる。

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