2021.5.5 05:00

【甘口辛口】札幌市にとっては、ハタ迷惑な五輪 運営上欠かせないテスト大会とはいえ市民からは疑問の声も多いという

【甘口辛口】

札幌市にとっては、ハタ迷惑な五輪 運営上欠かせないテスト大会とはいえ市民からは疑問の声も多いという

 ■5月5日 新型コロナウイルスの感染拡大が続く札幌市は「まん延防止等重点措置」の適用を5日にも国に要請する方針という。折も折、東京五輪のテスト大会となるハーフマラソンが同日に札幌市で行われる。飛び込みやバレーボールのテスト大会は関係者のみで粛々と行われたが、今回は一般市民に直接関わる初のケースだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)の独断でマラソンと競歩の移転を押し付けられた札幌市にとっては、ハタ迷惑な五輪。大会運営上欠かせないテストとはいえ「なぜこの時期に」と、市民からは疑問の声も多いという。同時に予定していた2500人参加の10キロ市民マラソンは中止になった。

 当初は4月16日までだった不要不急の外出、他地域との往来自粛要請が14日まで延びたためだが、五輪だけは禁断の領域にあるらしい。「自宅でテレビ観戦を」と秋元克広市長は呼びかけているものの服部勇馬、前田穂南ら男女の五輪代表4人が出場するだけに沿道に出る人も多く奇妙な“ねじれ現象”が起こりそうだ。

 札幌は重点措置だが、東京、大阪など4都府県に出ている11日までの緊急事態宣言はどうなるのか。大阪府の吉村洋文知事は「今週の感染状況と医療のひっ迫状況をふまえ府としての方針を決めたい」としているが、数日で好転する可能性は低く延長は避けられそうにない。大阪を追いかけているような状況の東京も同じだ。

 17日のIOCバッハ会長の来日予定に合わせたともいわれる今回の緊急宣言期間。延長するにしても禁断の領域を侵すことなく16日まで? とてもじゃないが、そんな姑息(こそく)な手段でかわせるような状況にないことだけは確かだろう。(今村忠)