2021.5.4 09:50

【甘口辛口】波紋を広げている組織委の“むちゃぶり” 「五輪強行開催」と「国民の命、健康」どちらが大事か国会で徹底議論してもらいたい

【甘口辛口】

波紋を広げている組織委の“むちゃぶり” 「五輪強行開催」と「国民の命、健康」どちらが大事か国会で徹底議論してもらいたい

国立競技場前に飾られた五輪マーク

国立競技場前に飾られた五輪マーク【拡大】

 ■5月4日 このご時世に「看護師500人派遣要請」という東京五輪・パラリンピック組織委員会の“むちゃぶり”が波紋を広げている。休日返上でコロナとの闘いに明け暮れる現場の看護師からは「患者を守ることに必死で五輪どころではない」と、ツイッターなどで抗議の声が拡散中というのも無理ない。

 さらに菅首相の談話で心証を悪くしたのではないか。「休んでいる(看護師の)方がたくさんいると聞いている。可能だと思う」。声をかければ簡単に応募してくれるといった感じだが、親の介護や子育てなど、やむにやまれぬ事情で現場を離れている看護師も多いだろう。そういう人たちの神経を逆なでする言い方だ。

 看護師だけではない。今度は会場医務室などで勤務するボランティアの医師を200人ほど募るとか。医師免許を取得後4年が経過し、必要な講習会を受講して得られるスポーツドクターの資格を持つ医師が対象で、熱中症や新型コロナ感染症の疑いがある人への救急対応、けがの治療などにあたるという。

 資格を持ち募集案内が届いた医師がテレビで話した。「期間中、医師も毎日PCR検査をするのか感染防止のためホテル宿泊か、肝心なことが一切記載されていない。とりあえず募集だけしておこうという感じだ」。五輪が近づくにつれ、あれもこれもと足りないものに慌てふためく舞台裏が透けてみえる。

 こんな急ごしらえの医療体制では選手はおろか国民の安全も担保できない。政府分科会の尾身会長は開催について「議論をしっかりやるべき時期にきた」と話した。「五輪強行開催」と「国民の命、健康」。どちらが大事か、連休明けの国会で徹底議論してもらいたい。(今村忠)