2021.4.9 05:00

【甘口辛口】センバツで注目された球数制限 複数投手制の推進が各チームに求められる

【甘口辛口】

センバツで注目された球数制限 複数投手制の推進が各チームに求められる

 ■4月9日 選抜高校野球で注目されたのが球数制限だった。投手の障害予防のため1人1週間500球の上限を設け、甲子園では今回導入。中京大中京・畔柳亨丞は1回戦が第6日と日程に恵まれず、準々決勝まで5日間3試合計379球。上限121球で迎えた準決勝では救援し、31球で右腕に違和感を訴えて降板した。

 つまりエースが121球しか投げられないのでチームは大変、とみていたら実際は投げること自体無理だった。週410球でも多かったという現象が起こったわけだが、どうして想定を超えたのだろうか。あるスカウトが「全力投球タイプの疲労蓄積かな」との見方をする一方、別のスカウトは「昔の真っすぐとカーブだけではなく、全般的に最近の高校生は色々な変化球を投げるから」との見解を示した。

 スライダー、スプリット、フォーク、ツーシーム、チェンジアップ、カットボール…。「1つ1つ投げ方が違うから腕に負担がかかる。当たり前だが、一番影響ないのは真っすぐだからね」。かつて球界を代表したある投手は、チェンジアップやフォークは前腕の外側が張ると封印したという。今年オリックスのD1位・山下舜平大は福岡大大濠高時代に直球とカーブしか投げない方針だったことを思い出した。

 しかし、多彩な球種習得の流れは変わらないだろう。むしろ球数制限で促す目的の、複数投手制の推進が各チームに求められる。準々決勝の前にも休養日を入れるなど、後半の過密日程軽減も必要だ。有力投手の指導者が、絶対に無事に送り出すことを大きなテーマに置いているのは言うまでもない。大エースが甲子園全試合フル回転で優勝、の時代はもう終わったようだ。(宮本圭一郎)