春本番に向けて各地でイサキが開幕し、これから本格的なシーズンになる。コマセ釣りの入門として最適で、食べておいしく、数釣りが楽しめて、行楽には打って付けだろう。5~6月は「梅雨イサキ」と呼ばれ脂も乗り、白子や卵を抱え食味も最高な時期。開幕一番、今季の状況を確認しようと、静岡県熱海市・網代『つちそう丸』へ走った。
初島が近くに見えるポイントで先着の船に合流して開始を待った。釣り開始は規定で午前6時から。「タナは海面からです。ハリス分落としてコマセを撒きながら指示ダナへ。40メートルでやってください」と土屋旬(ひとし)船長。
初島沖のイサキ釣りは沖アミコマセのため仕掛けが6メートルと長い。46メートルまで落として竿の長さ分シャクリ上げ3回に分けてコマセを振る。指示ダナの40メートルで待つが、アタリなし。背後で25センチ前後の一荷だ。
もう一度ハリス分落としてコマセをまくとグッと竿が止められた。食った! ギュンギュンと軟調の竿がしなる。追い食いを試みてスローで巻き上げるが続かないので中速へ。ビシをつかんで手繰り寄せる。茶褐色のイサキが3本バリの上バリに掛かっていた。中型の24センチだ。
すぐさまコマセを詰めて指示ダナへ。同じ要領でシャクリ上げると今度は一発でハリ掛かり。何とか追い食いさせたい。そのまま待つか? ゆっくり巻くか? 少し待ちを入れてからゆっくり巻くという合わせ技にしたが、結局単発だった。
魚は船に付いているようで皆が竿を絞らせている。モーニングタイムに突入だ。手返しと追い食いで数を伸ばしたい。隣の赤荻奨さん(40、足立区)の竿下に影が3つ。「勝手に釣れちゃいましたね」とトリプルに笑顔。私も多点掛けがほしい。入れ食いなのになぜか単発ばかり。下バリだったり上バリだったりどうにも分からない。いい感じの引き込みがあり、ドラグを少し弱めて慎重に上げる。体高がある33センチだった。
約2時間の入れ食いタイムで14連チャン。食いが止まり、「食い気のある反応を探します」と島の裏側まで捜索したが、いい反応に当たらず元のポイントへ。結局食いは戻らず終了となった。船中23~33センチが3~28尾と好調。すべて中型以上で、2尾3尾掛かれば引き込みは快感であろう。春の陽気の中、出掛けてみてはいかが。(APC・小菅義弘)