2021.2.17 05:00

【甘口辛口】「八重の桜」以来の好スタートだった「青天を衝け」 大河の流れに乗って渋沢栄一の業績と知名度が合致することだろう

【甘口辛口】

「八重の桜」以来の好スタートだった「青天を衝け」 大河の流れに乗って渋沢栄一の業績と知名度が合致することだろう

NHK大河ドラマ「青天を衝け」主演の吉沢亮

NHK大河ドラマ「青天を衝け」主演の吉沢亮【拡大】

 ■2月17日 蚕の集団ダンスにはたまげた人も多かったろう。実業家の渋沢栄一を主人公に14日から始まったNHK大河ドラマ「青天を衝け」の一シーン。養蚕農家で育った幼い栄一が桑の葉を与えると歌に合わせ無数の蚕が同じ動きで踊り出した。もちろん蚕はCGだが、重厚感が売りの大河らしからぬお遊びだった。

 虫は苦手の小欄もここだけはギョッとしたが、全体的にはテンポよく楽しめた。渋沢は幕末から昭和初期まで92年の生涯で約500もの会社を設立し、約600の教育・社会事業に携わった。徳川慶喜に仕えフランスで学び明治政府で奮闘し実業家に転身する波瀾(はらん)万丈の人生は、エピソードの宝庫でもある。

 初回視聴率は20・0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で関東で初回が20%以上は2013年の「八重の桜」(21・4%)以来の好スタート。渋沢役の主演が“国宝級イケメン”といわれる吉沢亮で、初回はほぼ子役(小林優仁)の出番だったが、なかなかかわいらしく年代を超えて女性ファンのお気に召したのではないか。

 戦国や幕末の武将、英雄ものでマンネリ化したためか「大河離れ」といわれて久しかったが、前作「麒麟がくる」は7日放送の最終回が18・4%(同)と棹尾を飾った。「大河復活への踏み台ができ、そこに乗っての初回だけに勢いがあったようだ」と関係者。

 24年度上半期から流通する新1万円札の図柄となる渋沢だが、幕末から明治にかけキラ星の如く並ぶ西郷隆盛、大久保利通、大隈重信ら歴史上のスターに比べどちらかといえば地味だった。大河の流れに乗って、乖離(かいり)していた偉大な業績と知名度がぴたりと合致することだろう。 (今村忠)