寒い日もあるが、海の中は徐々に春。放っておけない釣り物の一つがマルイカだ。深場から春とともに浅場へやってくる。2月に開幕した外房・小湊沖では出だし好調、トップ90尾を超える日も出ている。筒イカの中ではNo・1といわれる食味とゲーム性の高い釣りで大人気。今季の状況を確認すべく千葉県鴨川市・小湊『寿々木丸』へ向かった。
片絃4人ずつ分かれ8人で出船した。「最近サバが多い。イカがノっても振り落とされてしまうので、ツノ数を減らして対応するのが得策」と鈴木達也船長。港を出てすぐの水深78メートルでスタートした。
直結仕掛けの6本ヅノを投入。着底しゼロテンションで待つのだが、ウネリと水深の変化で竿先が上下に動いてしまう。ミヨシから電動の巻き上げ音が聞こえた。胴長20センチのマルイカだ。アピールするため竿をタタき、誘いを入れる。超軟調の竿先が揺れ、合わせを入れると、ガッシと重みが加わった。やや速めに巻き上げ、あと20メートルのところでガガガ。サバだ! 残念ながらバラした。
サバを避けるため移動。今度はいわゆる着ノリだ。着底後最初のきき上げでグンっと竿を持つ手に重量感が伝わる。しかしサバの猛襲。イカは付いているようなので巻き続けると、一番上に20センチ前後の本命。一番下にも同型のダブルだ。
周囲もみんな取り込んでいる。隣の釣り人はマルイカと同型のヤリイカをゲット。続けてムギとマルのダブルを上げ「これでイカのサイクルヒットですね」と笑った。
流し替えるたびに慣れた人は次々取り込んでいる。アタリの見えない私は空合わせばかり。アタリが分からない? それとも掛けていること自体に気付かない? 全く謎で半べそ状態。連チャンしていたミヨシの野中篤さん(54、武蔵野市)は「マルイカはツノをよく見るのでその日の当たりヅノを見つけることが重要」という。確かにノるのは同じツノが多い。