2021.1.14 05:00

【甘口辛口】森喜朗会長も揺らぐ東京五輪の開催 選手たちのためにも国内聖火リレー出発予定日までには結論を

【甘口辛口】

森喜朗会長も揺らぐ東京五輪の開催 選手たちのためにも国内聖火リレー出発予定日までには結論を

 ■1月14日 開催へ強気一辺倒だった東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が珍しく弱音を吐いた。12日の職員への年頭あいさつで「家内が見るスマホには私の悪口ばかり。『森は何を考えているのか。バカじゃないか』と。菅さん以上」と自虐ネタで笑わせ、その後の講演会で「実は内心、もしかしたらという気持ちが…」と漏らした。

 13日放送のNHKの最新世論調査では感染の急拡大を背景に「開催すべき」が16%で先月から11ポイントも減った。「中止すべき」38%、「さらに延期」39%を合わせると約8割が否定的だが、森会長は「再延期は絶対不可能」と断言しており、やるかやめるかの二者択一しかない。

 「私の立場では『今年は難しい』とは口が裂けても言えない。長い夜も必ず朝がくる。そう信じて予定通り進めていく」と森氏。7日に緊急事態宣言が発令されても「不安? まったくない」と一蹴した。杓子定規な言い方でさらなる世間の反発を招いたが、森氏でさえ内心は揺らいでいることが垣間見えた。

 一方で、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と電話会談した菅義偉首相は「開催は世界へのメッセージになる」との訴えに「大変重要な問題なので必ずやりきる」と答えたという。日ごろは「仮定の質問には答えられない」が決まり文句なのに、「やりきる」と断言できる根拠は一体どこにあるのか。

 開会式まであと半年余。最終的に開催可否を判断する国際オリンピック委員会(IOC)も日本側の決断をひたすら待っているような感じだ。駆け引きはいつまで…。これ以上、選手たちを苦しめないために遅くとも国内聖火リレー出発予定の3月25日までには結論を出すべきだろう。(今村忠)