2021.1.12 05:00

【甘口辛口】“綱渡り”の開催も、説明ない八角理事長…ファンの安全安心のためにもトップが「覚悟」を明確に

【甘口辛口】

“綱渡り”の開催も、説明ない八角理事長…ファンの安全安心のためにもトップが「覚悟」を明確に

 ■1月12日 感染の状況次第では途中打ち切りの可能性もあるという。十両以上で16人も休場した“綱渡り”の大相撲初場所が始まった。例年なら正月気分の余韻が残る場所だが、緊急事態宣言下では華やいだ雰囲気など望むべくもない。それでもコロナ禍や大雪で外出もできない高齢者をはじめ、テレビ中継を楽しみにしているファンも多いだろう。

 「相撲なんかやってる場合か」と批判されても親方、力士ら協会員の生活がある。簡単に中止や無観客にできないこともわかる。通常開催は昨年初場所が最後。その後無観客、中止、上限2500人2場所と続き先場所から5000人。少しずつステップアップし次に進もうという懸命な努力は見え隠れする。

 ひとつ気になることもある。場所前のPCR検査の結果次第で開催の可否を一任されたという八角理事長(元横綱北勝海)から何の説明もないことだ。初日の協会挨拶で理事長は複数の部屋で集団感染が判明したことを謝罪した。しかし、恒例の挨拶の一環であり、それだけで済むようなことでもない。

 前例のない途中打ち切りも視野に入れての開催なら、協会にとっては未曾有の一大決断だ。もし打ち切りなら途中までの成績をどう扱うかなど、理事長が会見し協会トップとしての考えを述べてほしかった。距離をあけられる館内大広間か、あるいはリモート会見でもいい。

 打ち切りではファンも戸惑うが、前もって理事長が「こういう方針なのでご了承願いたい」などと説明していれば納得できるだろう。“ファンの安全安心”にもつながる。国のコロナ対策と同じで、トップが「覚悟」のほどを明確にしないことには信頼が薄らいでも仕方ない。(今村忠)