2020.11.21 05:00

【甘口辛口】3頭の3冠馬が激突するジャパンカップ フィクションより「ありえない」現実の結果はいかに

【甘口辛口】

3頭の3冠馬が激突するジャパンカップ フィクションより「ありえない」現実の結果はいかに

 ■11月21日 「事実は小説より奇なり」のことわざ通り、あまりにもリアリティーに欠ける絵空事で小説に書くのもはばかれることがたまに起こる。史上最年少の18歳1カ月でのタイトル二冠奪取と八段への昇段を果たした高校生プロ棋士、藤井聡太がいい例だ。

 16歳で将棋界の最高位の一つである竜王となった主人公らの青春の日々を描く人気ライトノベル「りゅうおうのおしごと!」(GA文庫)。その作者、白鳥士郎は藤井八段の登場に「将棋界は創作を超えた」と脱帽した。

 競馬でも「ありえない話」が現実になろうとしている。29日のジャパンCで、史上3頭目の無敗3冠馬コントレイル、史上初の無敗3冠牝馬デアリングタクト、史上初の芝GI8勝馬であり2018年に牝馬3冠を達成したアーモンドアイが激突する。小紙は「世紀の大一番」として連日のように報道しているが、その表現は大げさではない。無敗の3冠馬が同じ年に2頭誕生するのは初めてだし、3頭の3冠馬対決も史上初だから。

 JRA賞馬事文化賞と山本周五郎賞を獲得した小説「ザ・ロイヤルファミリー」(新潮社)のクライマックスは3強による有馬記念。作者の早見和真は「その人気三頭の単勝オッズは、おそらくは歴史上においても類を見ない混戦」とつづる。3頭のオッズは2・8倍、3・1倍、3・1倍。「三つ巴の戦いに対するファンたちの期待が反映されていると言えるでしょう」と続ける。

 だがそこに無敗の3冠馬も芝GI8勝馬もいない。作者は、そんな設定を思い浮かべたとしても、あまりにもリアリティーに欠けると発想をすぐに打ち消したはずだ。フィクションより「ありえない」現実の結果はいかに-。(鈴木学)