2020.9.16 05:00

【甘口辛口】飾り気なく誠実に質素に、新しい物事に取り組む…菅氏は母校・法大の校歌の一節を肝に銘じて

【甘口辛口】

飾り気なく誠実に質素に、新しい物事に取り組む…菅氏は母校・法大の校歌の一節を肝に銘じて

 ■9月16日 「見遥かす窓の富士が峰の雪 蛍集めん門の外濠り…」。小欄は法大出身ではないが、東京六大学野球の神宮球場応援席で、負けて何度も法大の校歌を聞かされた。強くて憎き相手ながら、胸に響く名曲で「法政オゝ我が母校」の結びまで、いつの間にか頭に入ってしまった。

 早大の「都の西北」、明大の「白雲なびく」に負けるなと学生の間で校歌作成運動が起き、法大の講師だった詩人で作家の佐藤春夫が作詞し、名指揮者の近衛秀麿が作曲した。できあがったばかりの校歌が神宮で初めて歌われた昭和5(1930)年秋、六大学野球で法大が初優勝した。縁起のいい校歌でもある。

 その法大出身者では初となる菅義偉新首相が16日午後に誕生する。学生時代は空手部に属し4年間一度も稽古を休まなかったという。さらに学費を捻出するためのアルバイトも忙しかったそうで、神宮の応援席で校歌を歌うひまなどなかったかもしれないが、校歌にある「佳き師佳き友 集い結べり…」の4年間だったろう。

 酒は飲まず、パンケーキや大福が大好きという甘党で趣味はウオーキングとか。会見では無理してか少しは笑顔を見せるようになったが、霞が関の人事権を握り意に沿わない官僚は左遷するこわもてぶりは気になる。65歳の安倍首相の後継者として81歳の二階幹事長が起こした流れに乗った71歳。高齢路線の行く先に国民はどこまで期待できるのか。

 法大校歌の2番では「進取の気象質実の風 青年日本の代表者…」と歌っている。飾り気なく誠実に質素に、新しい物事に取り組む気概と姿勢。青年でなくとも、日本の代表者として国民目線を忘れず、ぜひ母校の校歌の一節を肝に銘じてほしい。(今村忠)