2020.9.13 05:00

【甘口辛口】記憶・学習障害など引き起こす大麻…伊勢谷容疑者、教育者に戻れないことだけは日本の将来にとって良かった

【甘口辛口】

記憶・学習障害など引き起こす大麻…伊勢谷容疑者、教育者に戻れないことだけは日本の将来にとって良かった

 ■9月13日 どこから見ても、イケメン。東京芸大出身で、俳優としての実績も申し分ない。最近は教育者としても活躍。事件発覚後に解任されたが、高校卒業資格の取れる通信制サポート校の学長も務めていた。大麻取締法違反容疑(所持)で逮捕され、「自分が吸うために持っていた」と供述した伊勢谷友介容疑者(44)である。

 実は小欄の元には数年前から、伊勢谷容疑者をめぐる違法薬物使用の未確認情報が何度かあった。それだけに、逮捕の一報を8日に聞いたとき「やっぱり」と口走ってしまった。ただ、そうあってほしくないとも思っていただけに、残念でならないし脱力感に似た感情が消えない。

 それはおそらく、伊勢谷容疑者が2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」(井上真央主演)で演じた幕末の思想家で教育者、吉田松陰の残像が、鮮烈な印象で残るせいもある。志を立て、そこに向けて努力することの大切さを説いた松陰はハマり役だった。ちなみに、松陰の門下からは倒幕の立役者、高杉晋作や初代首相、伊藤博文ら多数の傑物が世に出た。

 伊勢谷容疑者は10年の大河「龍馬伝」(福山雅治主演)で高杉役も好演。それだけに、松陰と同じく若い世代を育てる情熱を人一倍持っていたようで、かつて「大学も作りたい」と公言していた。それなら、大麻事件で検挙される若年層の割合がここ数年、増え続け、半数近くが20代と未成年という深刻な現実も知っていたはずだ。

 大麻は幻覚作用や記憶・学習障害などを起こす有害物質で、覚醒剤など他の違法薬物使用の入り口にもなる。さすがに伊勢谷容疑者が教育者に戻ることはあるまい。それだけは日本の将来にとって良かった。(森岡真一郎)